ART YARD Informer第二号に掲載の特集記事。wmds(大量破壊兵器)についてや、戦地での兵士の送る日常生活など。イラク戦争への派遣兵士の目から見た彼の地とは?初期Art Yard Informerで行った、意義あるインタビュー、後編。
皆「理由」を求めていた。
6人だ。僕たちは最初の日から訓練を共にしてきたから、結束も固い。誰よりも身近に感じるよ。ほとんど家族同然だ。
●小隊長はあなた?
そうだ。
●それははじめから?
いや、違う。最初の小隊長は病気で送還された。だから僕が代わりになったのさ。その次のポストにいたからね。だいたい階級の昇格ってのは軍に何年いるかによるんだよ。
●年齢は関係なし?
関係ないね。何人かの奴は僕より年上だしね。特にリーダーなんていないんだよ。僕たちはとても仲のいい友人だし、お互いに良く知っている。僕は誰にも命令なんてしたことがないよ。 あいつらは皆、ただやる事をやるだけさ。彼らの仕事だからね。それに皆、何をすべきかも知っている。
●何か彼らについての話はありますか?
ああ。僕たちはいつも面白い事を考え出していたんだ。オーストラリア流にね。カードで遊んだりお互いに常にいたずらしあったりしてたよ。もし酒をかっぱらってこれたら、みんなで飲んで酔っぱらった。でも滅多になかったけどね。一人の奴が、ダッチーという奴なんだけど、めちゃくちゃ手癖の悪いやつで。ジープでどこかへ消えて、くすねてきた他人の物と一緒に帰ってきたんだよ。他人と言っても民間人じゃなくて、軍の他の人間のね。いろんな種類の訳の判らない物を持って帰って来たんだ。例えば6000枚のファックス用紙とかそういうバカげた物をね(笑)そんなもんでナニしろっていうんだ?奴は他の部隊を回っては、スプーンとか、そういうのをパクってきたんだ。って言う僕たちも、やつのくすねたでかい料理酒の瓶を一晩で空けちゃったんだけどね。飲んだ奴は全員腹をこわしたけど(笑)おかしかったよ。 そこには6つの個性があって、誰も衝突しなかった。僕たちはとても良い仲間だよ。すごく良い事さ。誰かに最悪な一日が訪れても、別の誰かがそっと歩み寄ってそいつに手を貸した。誰も無神経な事はしなかったよ。故郷からはなれていろんな事が起こったけど、オーストラリアに帰って来れた。僕の祖父が痴呆症と診断されたときも、しばらく落ち込んでいたけど、立ち直れたしね。皆が力を貸してくれたからね。別の奴がいて、彼はガールフレンドに逃げられた。誰にでも起こりうることだった。僕はラッキーだったよ。ガールフレンドとかそういった人がそのときいなくて。大体彼女とかがいた奴らは、みんなそのことを心配してた。撃たれる事を心配するんじゃなくて、自分の彼女が故郷で何か馬鹿なことをヤってるんじゃないかって事をね。僕はよけいな心配をせずに済んだって訳。もし僕に彼女がいたら手に負えなかったろうね。
●イラク戦争そのものについて、君の仲間たちは自由に意見を述べていた?
それについては僕たちは沢山話していたよ。鋭い切り口で政治問題を、って訳じゃないけど、僕たちはいつでもその事を話していた。大抵の奴らは、僕たちは正しい行いをしているけど、それが何か自分たちの手に負えない方向に向かっているんじゃないかって思っている。何かがイラク国内ではじけとんだ様な感じだ。イラクの人々は30年間も意見を声にする時を待ち続けて、やっとチャンスが訪れ、僕たちにその声が一斉に向けられている。まったく制御不能の状態だ。あの頃は前より居心地の良い状態だった。僕たちは四月からずっとバスラの民家に住んでいた。警察みたいにそこらを回っては、略奪や強盗を止めさせていたんだ。地元のチームとサッカー対戦もしたよ。電力を復帰させて、何もかもが動き始めたのを見て、2003年の6月28日に僕たちはそこを去った。特に人道支援のトラックがやって来てからは、人々の生活は良くなり始めていた。食料も到着しはじめ、皆それを受け入れるようになった。政治的には、、誰が言っていた、はっきりとは言えないけど、皆「理由」を求めていた。皆が、どうしてこんな事になったのか、その理由をほしがっていた。だから、そうだな、その事について、よく皆と話していたよ。熱心にね。常に正反対の意見があって、みんなで議論していたんだ。「もしも」という話をよくしたね。でも詳しい事には触れられない。だってこれってヤバいからね、、、
●そういう政治的な話をする事で、仲間内に不穏な空気が生まれましたか?
いや、そういう事はないよ。
●でも、あなたたちの上層部はその事について触れられたくなかったんですよね?
そうだね。というか、僕たちにその事について話すな、っていうよりも、軍外部の人間に我々の内情を知られたくなかっただけ。微妙な問題だから。例えば「大量破壊兵器」と呼ばれている物の事についてね。メディアはその事を大きく報道していたけど、僕たちはみんな、大量破壊兵器なんて嘘っぱちだって知っていた。
●では、wmds(大量破壊兵器)がないという事をみんな知っていたんですか?
そうだ。みんなが知っていた(苦笑)。みんなそれぞれの視点で、「何故ここにいるか?」という理由を持っていたのさ。僕の個人的な視点では、どうして戦争をしたかって「石油のためだろ」って、そう思っている。で、実際にそれをゲットできて、やつらはハッピーだろうよ。わかるだろ?あの独裁者に石油を持たせておかない何か良い口実があれば、彼の政権を転覆させて石油をこっちの物に出来るんだ。ともかく、政治的な話になりすぎない方がいいな。











