アクションの世界で表現の可能性を探究する。 段取りではない会話のあるアクションを目指す。
ホンマに斬りにいかなあかんのですよ
●10代後半から20代前半は何をやってましたか?
ひたすらアクションの稽古、武術の稽古や旅をしてましたね。20代になる前にアメリカに行って撮影をみたんですけどスゴイなと思って。オレも夢見てがん ばろってね。あとアメリカに行って思ったのは、自分はどこいっても日本人やと。どないしょうもないDNAレベルで日本人ですからね。でもそれが武器なわけ ですよ。日本人っていうね。それを恥じるのではなく、全開に出して、自分というのを出すんですよ。それが外に出るとよくわかりますね。別に海外っていうこ とじゃなくね。
●以前お話しをした時にリアリティを求めているんだなと思ったんですが?
例えば、主人公が名ギタリストの役であれば、そのギターの練習を1年間毎日ギターを触って、練習をするべきなんですよ。日本の場合は、スケジュールや制
作費の問題とかが影響するんですよね。それが悪い訳ではないんですけど、僕らはアクションをつくる時には、きっちり武術としての意味ですよね、間合いとか
空気とか。そこにはやっぱり嘘をやったらダメなんですよね。
色んな武術も一緒なんですが相手がどうかなんですね。話と一緒で、相手がこちらに目を向けていないと会話じゃないんですよ。アクションをする時も会話じゃなく、段取りになっちゃうんですね。その状況が嫌で僕みたいな人間ははみだしてしまうんですね。
●どうやったらどう斬れるのかとかを理解して練習しないといけないってことですね。
映画やから、ホンマに斬ったら死んでまうから、そこはカメラとか距離でごまかすけど、ホンマに斬りにいかなあかんのですよ。斬りに行くから相手は避ける
んですよ。それをわかったところが段取りですからね。アクションで段取りなくしたら殺し合いになってまうから、それはマズイからね(笑)パッとカメラがま
わったら、そっから先は役者2人の空気やないですか。そこは空気の読み合いですよ。一発でやられるってわかっていても死にたくない訳ですから、死にたくな
いけど話の流れ的にやられて死んでしまうっていう。そこのリアリティなんですよ。
よくアクションの先輩らと言っていたのは、アクションをやっている人間は役者じゃないとあかんし、役者をやっている人間がアクションするんやったらそれも演技やと考えないといけないんですよ。
思いきって外に踏み出したらいい
●日本のアクション・スタントの地位って海外との違いってあります?
だいぶ違いますね。賃金ももちろんですが、保険とかにしてもそうですね。海外はそれでキツすぎるところもありますが、それでも違いすぎますね。ちゃんとしているとこもあるんですけどね。良い意味で高めあえたらいいんですけどね。
●アクションとか別でも何かやってる人にメッセージはありますか?
ホンマに何にもすることがなかったら、見つかるまでおったらええと思うんです。ただ迷ったり、不安に思ったりしたら何か求めるものが自分の中にあるんで すよ。だからそう思うんですよ。そういう時は思いきって外に踏み出したらいいんですよ。百聞は一見にしかずやと。まさしくそれですね。僕は真剣に良いもの をしたい。いい加減なことをするんじゃなく、勉強をきっちりして良いものをつくりたいんですよね。
(2005年5月某日 心斎橋GRECOにて)
【山本浩士(ヤマモト ヒロシ)】
兵庫県在住 武芸屋
武術を修行しながらアクション俳優として活動。現在、自主制作映画への出演も含め撮影と稽古を中心に活動中。










