和製ジーンズブランド「日之本謹製」誕生
新しいジーンズが誕生した。ロンドンのピカデリーサーカスから発信するブランド「The Club of Piccadilly」。そしてデザイン、生地、縫製、「ジーンズの思想」全てが日本製という、「日之本謹製」。日本人としてのプライドを製品に込めたブランドが誕生。20年程前のトラサルディやアルマーニなどの第一次インポートジーンズブームの仕掛け人、川上哲洋氏がアーティストの発掘、アートディレクション、ショップデザインまでブランドの全てをプロデュース。彼らの人、そして素材へのこだわりは国内だけでなく、世界から注目を集めている。
このブランドを立ち上げたきっかけは?
僕が会社を設立して20年になるんですが、今まで世界のブランドを発掘をして日本に広めるという事していたんですが、プロデュース側ではなくいつか自分のこだわりというか、生き様を人にみせたいと思っていたんです。
表現する側っていう事ですか?
そうですね。思想を問いたいっていうかね。子どもの頃から「食」という事で教育を受けてきた事もあって、20年前に独立して以来、いくつかの会社を経営しながら、この五年間は堺筋倶楽部という レストランを作って自分の「食」というモノの理想を追い求めていたんです。そこで、ディオールとかカルティエ、フランクミューラーなど世界のスーパーブランドとのコラボレーションをさせて頂いたり、ワールドカップサッカーの時には公式晩餐会をして頂いたりと、身に余る光栄な事を経験してきたんです。20年前、僕が貿易会社を設立して、トラサルディーやアルマーニなどのインポートジーンズを輸入し、大阪のアメリカ村に初めて持ち込み、現在のプレミアムジーンズやインポートデニムと呼ばれる業界の基礎をつくった。業界の創成期に携わる事ができた人間として、もう一度ジーンズっていうのをやってみたいと思っていたんです。で、3年くらい前から構想を練って、ブランドイメージやコンセプトや、どんなこだわりを出したいとかを世界各国をまわりながら考えていたんです。
このブランドのコンセプトは?
「日之本謹製」なんですが、まずジーンズっていうのはアメリカで生まれた文化なんですよね。アメリカのジーンズの域を出たもの、デザインだけでなく、モードというか、それをはじめて超える事ができたのが日本人のジーンズ観だと僕は思うんですね。デニム生地も、「タテオチ」の素晴らしさに気づいて、その美学というのを発掘し、それがアメリカでも広まって「ビンテージデニム」っていう言葉が生まれたんですよ。日本で注目されるまでアメリカでは古いジーンズなんか二束三文だったんです。それに初めて価値を与えたんです。織り機もそうなんですよ。その当時のミシンもどこにもなかったんで、復刻させたんですよね。色にしても藍染めの技術を使用したり、独自のステッチを表現に加えたりしてきたのが日本なんです。僕たちはジーンズをキャンバスとして、和柄の着物生地や日本の昔からある図柄を表現しようとしているんです。
プロジェクトを進めていくのは大変ですか?
ありがたい事に僕の力になってくれる才能のあるスタッフが数人会社に居ましたし、新しく入るスタッフも既にプロジェクトに参加してくれてます。彼らと海外に行ったり、ディスカッションしたりしているんですが、僕が全てを考えているんではないんです。自分の世界観もありますが、彼らアーティストとファッションの世界観を話していると重なる部分が多いんですね。実際にジーンズをはく若い世代のアーティストたちとオーバーラップするので、すごく良い手応えを感じていますね。
現在の「The Club of Piccadilly」、「日之本謹製」のデザイナーは?
まず日本で初期の段階から協力してくれているのが、有川恒というアーティストなんですが、僕から見るとすごく異質なセンスを持っているなと思っていたんですよ。仕事でイギリスによく行ってたんですが、ロンドンのパンキッシュなショップスタッフたちに負けないセンスを持っていると思っているんです。だから立ち上げの時に一緒にやってくれないかとオファーをかけたんです。他には世界各国で7人のデザイナーを見つけていますね。彼らのものづくりの情熱だとか発想を取り入れて、現在プロジェクトを薦めています。韓国で発掘したデザイナーは、長年、イタリアの某有名ブランドのデニムのデザイナーをしていただけあって、とてもいい感性をもっています。
この2本柱でプロジェクトが進んでいるわけですね。
「日之本謹製」だけでは僕の「ジーンズへの想い」っていうのが偏ってしまいますし、自分のライフスタイルがヨーロッパ中心でしたので、ヨーロッパ人の感性に近いものもやりたいイメージにはあるんです。
だから「The Club of Piccadilly」もあるんですね。
で、各々でそのブランドのジーンズをはく人間像があるんです。詳細な設定があって、それをジーンズの中で表現していってるんです。
その設定に一番合うものをつくっているんですね。それでは今年の展開は?
香港の西武百貨店からオファーがあったり、アメリカからMagicショー(ジーンズカジュアルでは世界最大のファッション展示会)に出展したいとオファーがきてます。Magicでは世界から4000のブランドが参加するんで、そこに殴り込みに行かしてもらおうかと思ってます。(笑)










