品質管理のプロからクリエイトの世界へ。多角的視点からみるモノづくり。昨年誕生したジーンズブランド「The Club of Piccadilly」・「日之本謹製」。先日おこなわれた展示会も大成功をおさめ、確実にその名前を刻んでいる。日本だけでなく、海外のマーケットからも注目を浴びている「The Club of Piccadilly」・「日之本謹製」から永井氏に話しを聞く。品質管理という場所からクリエイト側に転職した彼の言葉からクリエイトの本質を探る。

以前は某大手アパレル企業の品質管理の仕事をしてたんですよね?
Yシャツの方の品質管理をしていたんですよ。企業で品質管理部を持っているのはあまりないんですよ。基本的には専門部署はないんですよね。だから今まではお金を生み出す方じゃなく、もし何かがあった時にそれを止める側にいたんですよ。それを4年くらいやっていたんですね。
そこから現在の仕事に変わったんですよね。
だいぶ止められましたね。品質管理は技術職というか職人になるんですね。国家資格もありますし。だから今更モノをつくったり、売る側になるのは周りからしたら疑問なんですよ。
でも、何で変わろうと思ったんですか?
昔からこだわりが強かったんですよ。小学生の頃から自転車に乗り、中学生でモトクロスのレースに出てたり、バラバラの状態から自転車を組んだりもできましたしね(笑)
品質管理の方にいくきっかけは何だったんですか?
考えて発信するより、要求されてそれに応えるって方が得意だったんですね。パターンナーとデザイナーだったら、デザイナーはクリエイトする側で、パターンナーは考える側なんですね。デザイナーの起こした発想をパターンナーはその要望どおりにカタチにする仕事なんですね。僕はパターンナーもやっていたので、その流れで品質管理にいったんですよ。

現在はモノをつくる側なんですが、はじめはどうでした?
面白そうだなって思ってたんですよ。自分の周りの人間もアパレルの人間ばっかりだったんで、街角でみんながつくったモノを見るわけですよ。それがすごく羨ましかったんですよね。自分はモノをつくるんじゃなく、管理側だったんで、自分がつくったものが市場に出る事はなかったんですよね。でも、これからは違うんですよ。管理側でこうしたら良いのにって思ってた事を、デザインと融合させて発信できるんですよね。
品質管理の視点からのデザインですね。
デザインと品質の両方がクリアしているモノ、クオリティが高いモノができるんじゃないかなって思うんですね。あと、既製品を見た時に本当に値段と品質があっているのかな?って思う事がすごく多いんですよ。大体、縫いと生地と縫製のレベルと原産国をみたら原価がわかっちゃうんですよ。買う気がなくなっちゃうんですよね。だからそれに見合ったモノづくりをしたいんですよね。
本当に品質管理の視点からクリエイトに斬り込んでいく感じですよね。
それができれば面白いと思いますよ(笑)お客さんって品質をなかなか見ないんですよね。ネームとかデザインで選んでしまうというか・・・。でもこれからのニーズっていうのは、日本製でこだわって作られていて、値段が納得いくものを選んで買っていくと思うんですよ。
ピカデリーのジーンズは面白いものが多いですよね。
ラバー・ペイントっていうシリコンを塗って肌触りにこだわったジーンズも珍しいですよね。あとはスプラッシュ・ペイントを刺繍を使って表現してみたりね。ベーシックなモノとそういったチャレンジしていくモノの両方で斬り込んでいければと思ってるんですけどね。
ラベルの皮も変わっていますよね?
この皮もジーンズのラベルに使うような皮ではないんですよ。カバンや靴に使用するものを薄くして鞣しているんですよ。すごく丁寧につくってますね。独特の光沢とツヤがあってね。繊細な皮ですね。そういったディティールも取り入れつつ、ラバー・ペイントやスプラッシュ・ペイントを刺繍で表現したモノも取り入れ、品質の高いものを作っていきたいんですよね。
今後、永井さんはどんな表現をしていきたいですか?
僕の求めているカタチは別にもあるんですよね。それに近づけて行くのが良いのか、お客さんの求めているモノに近づけていくのが正解なのか・・・それははっきりはわからないですけど、それを探しながら、どちらにとっても良いモノができれば良いですよね。
別の視点からクリエイトしていった作品を見るのがすごく楽しみですね。
そうですね。品質管理からクリエイトに変わる人も珍しいし、その逆ももっと少ないですしね。もっともっと色んな事を変えていきたいですね。
【日之本謹製オフィシャルサイト】
http://hinomoto-k.com/










