まるでギフトかのようなパッケージと、クラブミュージックに生まれ変わったディズニーのラブソング達。厳選された10曲は今大注目のクリエイター達が完全
新録でカバー。実はこのコンピレーション・アルバム「Lovebeat
Disney」、豪華なのはその面子だけではなかった…!聞いて驚きアートワーク制作の裏側、見て驚き泣く子も黙るスペシャルな仕様の数々…。(C)Disney
今回art yard ONLINE限定で、制作ディレクションに携わったavex entertainment 関口氏、アート・ディレクターのLOKI 菊池氏へのインタビュ−が実現。想像を超えたこのアルバムの秘密が明らかに。
ーはじまりー
関口(以下、関): 言い方は悪いけど、行き当たりばったりというか。もともとCubismo Graficoのチャーベさんに参加のお願いをしに行った時に、エスカレーターレコーズの仲さんに「デザイン事務所が下にあるから紹介したい」って言われて、そのまま菊池さんを紹介されて。その時は挨拶だけだったのね。その後アートワークどうしようかなってぼんやり考えた時に、そうだ菊池さんにお願いしようって思って。この作品に関しては全部、ありがたいことに人の繋がりで成り立ってるものかもしれないなぁって。参加アーティストの人達も全部、いきなり行って「はじめまして」的な人もいたけど、ほぼ全アーティストが誰かの紹介でっていうのだったり。特にチャーベさんには本当にお世話になったかな。
ー選曲についてー
●曲っていうのはあらかじめ関口さんが決めてアーティストさんにお願いしたんですか?
関:最初は自分で選んで、その中で自分にはこの曲が合ってるんじゃないかとか提案をもらったりして決めた感じかな。面白かったのは4曲目のLA Stylezっていうロンドンのクリエイターの人。最初にこちらで決めた曲があったんだけど、向こうから「I'LL TRY」の方がいいアレンジにできるって言われて。さすがセンス良いなと思ってその曲でお願いすることになったのね。で、ここからが面白くて。「I'LL TRY」ってピーターパン2の歌で、舞台はロンドンなのね。ロンドンからネバーランドに行くっていう。たまたま今回のクリエイターもロンドンに居るし、偶然の一致だなって。仕掛けたわけじゃないのに、そういう産物があるっていうか。
●なるほど。コンセプトに基づいて、アーティストさん側に何か注文はしたんですか?
関:ダンスミュージックにして下さいって(笑)
●それだけ!?
関:そう(笑)。例えば4つ打ちみたいにして下さいって言ったら、ほとんど4つ打ちになっちゃった…。でも、もろハウスじゃないし、ポップでテンポも区々だから。楽曲もメロディちゃんとあるし。あと、これは読み通り良かったと思ったんだけど、5曲目のSINDBADに参加してもらったことかな。4つ打ちでもなく、打ち込みというよりはブレイクビーツっていう感じになって、アルバムのちょうど中間のフックになっていい感じ。Q.,indiviは、急遽やってもらって。一回参加アーティストが決まった後に、たまたまCDショップに行ったら作品が並べられてて。見たらRemixerの面子も凄い良いし、CM音楽とかもいっぱいやってることを知って。それで買ったらめちゃくちゃ良くて。これはオファーしなきゃって。「Lovebeat Disney」ではQ.,inidiviを1曲目にしてアルバムの全体の流れもちゃんと出来てるんだけど、最後だけ「WHEN SHE LOVED ME」っていう曲で、訳すと「彼女に愛されてた時」っていう意味で。あれ?失恋?みたいな(笑)。でもこれはトイストーリーの曲で、ジェシーっていう人形の女の子が、持ち主の女の子に愛されてた時っていう歌で。今は大人になって遊んでくれなくなったけど、あの頃は愛されてて楽しかったなっていう切ない曲なのね。悲しい曲なんだけど異性に対しての曲じゃないし(笑)流れを考えると良かったかなって。まあちょっと引っかかってはいたけど(笑)
ーアートワークについてー
●絵っていうのは"選ぶ"んですね。
関:アーカイブっていって資料室みたいなのがあって。その中で選んでいく感じ。で、そこで菊池さんがね…(笑)
菊池(以下、菊):もうね、一日中居たいっていうか、社員になりたかった…。楽しくて仕方なくって。その時代によってキャラクターの目っていうのが違うからそういうのも面白い。
●ちなみに今回使われている絵はいつ頃の時代のものなんですか?
菊:真ん中ですね。
関: 3段階に別れてて、古い順から黒目のもの、今回の横が切れているものと、白目があるもの。
●知らなかったかも…。
菊:デザイナーはほとんど、このパイカットと最近の白い目の絵は使わない。
オールドっていうかね。
関:そうですね、大体黒目が人気ある。スカートの色とかも時代によって違うし。
●デザインていうのは音が上がってから仕上げていったんですか?
菊:絵を選びに行く段階では音はまだで。でもコンセプトはちゃんと決まってたから。
関:ディズニーのラブソングだけを集めて、それをクラブミュージックにアレンジするっていういことを言ってて。面子も大体決まってて。
●菊池さんの中では漠然とイメージは出来ていたんですね。
菊:そうですね。特に今の時期、年度変わりっていうのもあるし、春の恋っていうか。ちょっと学生よりな感じっていうのかな?
●なるほど。この見つめ合ってるミッキーとミニーっていうのはちゃんと意味があるってことですね。
関:新生活のドキドキじゃないけど、なんかこの人…って思った瞬間、まだお互いよく知りませんけど、運命的なものを感じる人、っていう感じなのかな。
●LOVEBEATだけに。
関:とか言いつつこんな二人が作ってるけど(笑)
菊:今回、関口さんに無理を言ってお願いしたんですけど、中を開くと、各々がプレゼントを送ろうとしてるっていう仕様になっていて。
●ほんとだ…。凝ってる!
関:ちょっとこれは買ってのお楽しみっていう感じなんだけど(笑)あとこれは菊池さんといつも話していることなんだけど、意味のあることをきちんと繋げていかないと深みが出ないよねって言ってて。なぜこのブックレットが手紙なのかっていうところで、ちゃんと(ミッキーとミニーが)手紙を持ってるのね。
●これも(資料室に)元々あったんですか?
菊:うん、これも元々ありました。
関:参加してるアーティスト達とかディズニー、作り手の僕とか菊池さんから、歌の手紙っていう意味もあるし。実際の曲は盤に入ってるけど、それが言葉になった時に歌詞になるわけでそれがイコール“手紙”じゃないけど、そういう風にしたいなって。
菊:この初回盤のケースも光る仕様なんですけど。見ました?
●いや、まだ見てないです。
関:暗い所だと見えるはずだよ。
●あ、でも星がいっぱい光ってますね。
関:浮かび上がってるでしょ?ロゴも浮かぶ感じなんだけど。最初、星とシルエットを浮かび上がらせようって話をしてて。一番初めに作った時に、もっと星を増やせるっていう話になって。
菊:今はスライム色みたいな感じだけど、塗料も最初に思ってたより薄くて、白に近かったので、だったらもっとぱあっと色をつけようと思って。
関:星っていうのも…これも思いつきなんだけど、発売日、4月18日の東京の星空、みたいな(笑)やっぱり東京発信っていうか、もし今でも渋谷系っていう言葉が使われてるなら、渋谷系の音だと思うし。それで、その4月18日の東京の星空をイメージしてそのまま入れることは可能ですか?ってお願いしたら、菊池さんがやってくれるって(笑)
菊:裏もね、プレゼントっていう意味も込めてリボンがかかってる。
●ほんとだ。本当に凝ってますね!裏にも星がいっぱい…。
関:多分お店に並んでる時は、閉店して電気が消えたら凄いことになってる(笑)
でもお客さんは見れない…。
菊:これは夜寝る前電気消した時に「おっ!」って思ってもらえる気がする。
関:初回盤の帯には蓄光仕様って書いてあるし、別に驚かせたいわけじゃないんだけどね。あくまでも付加価値っていうか。でもなんで蓄光かっていうと、クラブミュージックも昼の顔と夜の顔を作りたかったっていう感じ。夜光塗料を使おうと思った理由は、ディズニーアート展っていうのに行ったことがあったんだけど。原画とかラフ画があって、その中に、ウォルト・ディズニーがアメリカのディズニーランドを作る際に描いた地図があって。夜をイメージしたものがブラックライトに当たってて、それが、当たってない時と全く違う絵に見えて。これはいつか使いたい!って思ったのね。で、それがいきなり今回だった(笑)
ーディズニーというブランドについてー
●ディズニーって他のキャラクターのブランドとは別格だと思うんですね。デザインするに当たってプレッシャーはありましたか?
菊:どうですかね…。でも、(収録された歌の)映画は全部見ました(笑)。
関:えーっ!知らなかった!言ってくれればいいのに!
菊:(笑)バンドにせよ何にせよ、やっぱり知らないと…。普段の仕事でも、バンドのビジュアルを任されたりするけど、会わないで作ったり話さないで作ったりっていうことはまずないから。仲がいい人に頼まれてやったりするのが多いっていうのもあるんだけど、ディズニーと仲良くなれるわけじゃないし(笑)なので全部見たっていう感じですね。あと、これはやったら駄目っていうのがほとんどなかった。意外と突拍子もないことやってるので。まず3段階の仕掛けがあって…BOXが暗闇で光る、ジャケットも3面見開き、歌詞ブックレットが手紙になってるっていう。逆に今はこんなにやりたいって言ってもなかなか通らないから、ここまで作らせて頂いて逆に嬉しいですね。うん、良かった。
関:今回やってみて、アーティストの皆さんとか菊池さんも、オファーしてみて必ず出てきたのは「ぜひやりたい」っていう言葉で。「ディズニーだから」って言ってくれて。そのブランド力は本当に揺るがないものだし、ずっと不動なものだと思うから。乱暴な言い方をしてしまうと、何をしても揺るがないものがあるから当てはまるというか。かと言って変なものを当て込んでもしょうがないし。今回はメロディの素晴らしさ、ラブソングっていう所を特化して歌を大事にしているというか。
菊:(音が)クラブクラブしてないっていうのが良いと思いますね。
ーディレクションについてー
関:難しいとは思わないけど、前職(レコード店のバイヤー)が活きてるかなって。チョイスして人に勧めるのが凄い好きだから。中学生の頃とかに好きな女の子に自分の好きな曲をカセットに入れて渡す感覚を、自分の周りの人や、こういうクラブ系を聴く人達に向けて、これだったら良いかな、アートはああいう感じがいいかな?って考えて。例えばお皿があったら、どういう風に料理を盛りつけたら美味しく見えるかなって考える感覚かも。
菊:面子がもの凄く良いから、楽曲も良くなるってことは想像できたんだけど、やっぱりお願いする力とそれをまとめる力がないと出来ないと思うし。
関:いろんな人に、「あのアーティストは入ってないの?」って言われたんだけど、今回は違うなっていう自分の中でのジャッジがあって。どうしてかって言ったら、今回オファーをした基準はポップ感覚のバランスを取れた人、行き過ぎてない人っていうのがあって、菊池さんも、エッジがあるんだけどポップなバランスも持ってる人だったので。
●ポップさを重視するっていうことは、より多くの人に聴いて欲しいっていうのがやっぱり根本にあったんですね。
関:そうそう。こういうディズニーのカバー企画盤って、ディズニーを知らない人にとっての窓口だと思うのね。実際自分がそうだったし。「Dive Into Disney」とか「Mosh Pit On Disney」を聴いて、ディズニーの曲ってこうなんだ、っていう別の切り口で入っていけたから。でも逆もしかりで、ディズニーファンの人達にも買ってほしいなって。名前は知らなくても、音で説得できるポップなものを作ればいいのかなって思って作らせてもらったし。こういうジャンルを敬遠してる人達にも聴いてほしいかな。クラブに行くだけがクラブミュージックの楽しみ方ではないしね。クラブミュージックって聴きやすいものもあるんだって思ってもらえればいいなって。アーティストに関しても、その盤のその曲だけ知って終わりにはして欲しくないし。例えばCubismo Graficoのチャーベさんだって、CUBISMO GRAFICO FIVEっていうバンド名義でもやってたりするし。気に入ったものがあれば、もっと深くまで聴いて行ってほしいかな。
●第1弾のアナログ盤もデザインが凝っていますね。
菊:これはCDの発売日より少し前に出るっていうことで、CDのジャケットより少し前の二人っていうか。これから出逢うっていう雰囲気ですよね。
●ちゃんとストーリーになってる!
関:まあ、後付けなんだけどね。出逢う前っていうこともあったからあえて字でミッキーを隠したっていうか。
●すごい…(笑)
関:もう押しつけがましいでしょ?凝りすぎてて(笑)でも普通に、単純に楽しんでもらえればいいし、僕らが仕掛けてることは、言わなきゃ分からないことだし、受け取り方は聴き手の自由だと思うし。イマジネーションが膨らんでくれればいい。ただ、作り手として意味がちゃんとあるものを作りたいと思っているだけであって。CDにしてもアナログにしてもフライヤーにしても、自分が欲しいもの、持っていたいものが基準っていうかね。エゴじゃなくて、いちユーザーとして考えたというか。
●なるほど。では、最後になりますが読者メッセージをお願いします。
関:ディズニーの入り口として聴いてもらえたらなって思いますね。例えば菊池さんがこの作品を作るにあたって、映画を見てみようっていうきっかけになったわけだし。あらゆるきっかけになればいいです。恋しちゃおうかな!とか(笑)。魔法のビートにかかっちゃって下さい。
菊:これは贈ってもいいと思う。自分聴きもいいけど、クラブミュージックだけに留まってないし、貰ったら絶対嬉しい仕様になってるので、お勧めです。
Lovebeat Disney オフィシャルサイト
http://www.avexnet.or.jp/lovebeatdisney/
☆LOKI 菊池元淑氏
2006年3月にロンドンで初個展を開催。4月作品集「VANISHINGPOINT」をBOOK、DVDでダブルリリースし、タワーレコード渋谷・新宿店ではJ-POPチャート2位を獲得。全国区では最高位4位にチャートイン。作品集はロンドンでも発売中。CUBISMO GRAFICO、BACK DROP BOMB、DOPING PANDA、Sunaga t Experience、鈴木亜美等のCDジャケットデザイン・ミュージックビデオを担当。
http://www.loki-graphis.com/

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