そのイメージたちは、彼の緻密な計算から生まれる。イタリア人アーティスト・ファブリツィオ・コルネーリ。神戸・ギャラリー夢創館で初めて彼とその作品たちに出会ってから6年。その時の衝撃は今も続いている。光と影の匠・ファブリツィオ・コルネーリに触れる。
translation:Michiru NAKANISHI(中西路留)
あなたは小さい頃どんな子どもでしたか?また、アートに興味を持つきっかけはありましたか?
最初は音楽の道を考えていました。フルート奏者として音楽学院に通いクラシック音楽のジャンルを勉強していましたが、その後ジャズ音楽に転向しました。
ところが、16歳の時、突然本当の私の興味が視覚芸術にあると目覚めたのです。私は18歳になると美術学院に入り、視覚芸術を志すアーティストとして制作を開始し、その2年後には、初個展をしました。
あなたの作品は光と影で表現していますが、そのきっかけは?
アーティストとして制作をはじめた初期の頃、写真作品がメインでした。しかしすぐに写真技術の基本は【陰影】であると理解したのです。その陰影ですが、このテーマは、私にとってわくわくするものでした。そんなわけで写真を用いながら、影を、その時間経過と曖昧性を注意深く観察することを決めたのです。

あなたが影響を受けたアーティストを教えて下さい。
練習をしたり完成に近づくための継続的な勉強という意味で音楽に関しては本当に素晴らしい学院でした。私に大きな印象を与えた人物は、小説家、レーモン・ルーセル(Raymond Roussel)です。当時のシューレアリズムの巨匠で、彼は主題(サブジェクト)から完全に切り離されたところにある手法を用いて制作する可能性を教えてくれました。私の作品は、設計図自体は幾何学的(ジオメトリック)ですが、結果としての作品は具象的(フィギュラティブ)です。
今年の神戸でおこなうプロジェクトはどのような作品ですか?
神戸の作品「デュエット」は、これまでの手がけてきたプロジェクトの中で最大級の巨大作品となります。
ソーラー作品といいましょうか、太陽の動きと関係する作品で、日中のとある時間になると1つの絵が出現するのです。パブリックアート規模の仕事に大きな関心を抱きました。事実、影の継続的な変化は、私の設置したものによって無限の絵を創造します。それにより鑑賞者は無限の解釈を持つことが可能になります。
日本で作品を発表する事で、何か意識している事はありますか?
いいえ、私の作品はいつも同じです。しかしたぶん鑑賞者の違いが異なりを作るのかもしれません。個人的な私の印象ですが、日本人は【無】という概念への調和を持っていて、私の作品にそれを潜在的な概念として見い出してくれているような気がします。

今後、やってみたい表現はありますか?または、今、興味をもっている事はありますか?
私は【イメージの曖昧性】に関する研究を続けています。先の仕事もこのテーマに特化した作品を制作することと思います。
世界で一番美しいと思うものは何ですか?また醜いと思うものは?
一番美しいものとは一番不確かなもの。一番醜いものこの世界を敬うことのできない人間の無能さです。
このインタビューを読んでいる表現者たちに何かメッセージをお願いします。
ものごとを注意深く見てみてください。
Guardate con attenzione le cose.
Fabrizio Corneli(ファブリツィオ・コルネーリ)
1958年フィレンツェ生まれ。
1976年ガリレオ・ガリレイ理系高等学校卒業(シエナ)卒業後、フィレンツェ美術学院に入り1980年卒業。ボローニャ大学文学部DAMSインスティチュートにおいて記号学を2年間学ぶ。
1993年ケルン(ドイツ)に移る。滞在中、太陽を光源とするソーラーインスタレーション制作、3年間設置される。帰国後1999年劇場ステージの美術セットを手掛ける(“Il mondo visto dai ragazzini”)。2000年キリスト生誕2000年祭にて「光の三原色」原理を用いたインスタレーション制作。パリ国際照明器具フェア(ELEC)の2002年メインゲスト・アーティストとして招待され、巨大な円筒系の特設会場にて新作を発表。2003年、04年スペイン国際アートフェア(ARCO)に夢創館ブースより個展形式にて出品、西ヨーロッパにおいてもその芸術性の高さを広く認知され、大きな関心を呼ぶ。日本においては、2000年より本格的に仕事が紹介されたのを機に、翌年、国内最初の屋外作品(神戸)が完成、その他、札幌・東京・横浜でもギャラリーや美術館で個展が開催される。また、美術というジャンルを超え、NHK教育TVでは影の魅力をテーマにした子供向け25分の番組に出演。こども向き教育雑誌(福音館書店)でも作品が紹介される(後に韓国語でも出版)。2005年愛知博覧会では、イタリア館内にインスタレーション設置(イタリア外務省より制作依頼)。現在、2007年10月6日完成に向け、本人にとっては過去最大サイズとなる、神戸光プロジェクト・ソーラーインスタレーション『デュエット』を制作中。(10/6より恒久展示・神戸市助成)
http;//mssohkan.com/mss_artists/fabrizio_corneli/corneli_index.html










