CRAMPS、Stoogesなどの影響が色濃いベースレスサウンドと、東京のグループの中でも一際異彩を放つ奇怪なルックスでオーディエンスを魅了するPAPAPA。SM×GARAGE PUNKという危険な配合を施した彼らのステージングは、緊張感に溢れている。Voは裸体に際どいボンテージ、Guiter2名は女装にフォーマル、覆面Drumのhrpにいたっては、なんと読むのかすら不明である。そんなカルト匂がぷんぷんの彼らだが、その音楽とパフォーマンスに対する姿勢はいたって大まじめ。大盛り上がりであった彼らの濃すぎるロックンロール・ショウを体験後、Art Yardがインタビューを行った。
●まずはPAPAPA結成のいきさつをお伺いできますか?
TV(G): 僕がCRAMPSのコピーバンドをやりたくて、カントを勧誘~コピーバンド結成しました。そのままオリジナル曲が増えていき、今に到りました。ボクがカント(Vo)に向かって「お前の目には狂気がやどっている、だから一緒にバンドやろう」と言って勧誘したらしいけど、実は全然覚えてない。
カント(Vo): ある日TV姐さんにクランプスの曲を聞かされたんですが、それまでそういうジャンルの曲を聞いたりやったことがなくていまいちピンときてなかったのが正直なところで。Human Flyはすごいインパクトで、できたらかっこいいなと漠然と思っていたようなものです。そこに姐さんの「お前の目には狂気が宿ってる」…そんな褒め言葉は他にないだろう、と。すぐパパパやることを決めました。俺はちゃんと覚えてます。
izzy (G): 俺は後加入なんですよ。3、4年前にTV姐さんのパパパとは別のバンドのライヴによく行ってたんですけど、その打ち上げで誘われました。パパパは前々から やっていたらしいんだけど、俺は一回も見たこと無くて。友達にパパパってどんななの?って聞くと、たいてい顔が曇るんですよね。で、ちょっと不安だったけ ど、練習入ったら楽しかったし、その後の飲みも楽しかったから、今メンバーとして居るというわけです。
hrp (Drums): ある日電話がかかってきて、誘われた。簡単にOKしました。
●PAPAPAというバンド名の由来などはあるのでしょうか?
TV : PAPAPAもCRAMPSもカバーしている「Surfin bird」って曲で、「PAPAPAPAPAPA・・・」と聴こえる歌が入っていて(本当はbirdの「バ」で「バババババババ・・・」と言っている)、その部分が印象的だったのでそこから取りました。後は「CRAMPS」ってスペルの中に「P」も「A」も含まれているってとこもポイントになったのかな?とは言うものの、そんなに考えてないし特別な意味を持たせてつけたわけじゃないですね。むしろ、特定の意味を持たないバンド名にしたかったんです。
カント : 確かTV姐さんが「カントがパパパって言ってるからパパパでいいんじゃない?」っていう発言からでしたね。純粋にインパクトがあって気に入ってます。
●貴方達を初めて見た時、まず強烈に個性的なビジュアルと、Stoogesなどのクラッシックなパンクを連想させるサウンドにとても衝撃をうけました。現在のサウンドのスタイルやステージングは、いつ頃から固まっていったのでしょうか?顔面を蹴り上げられて出血していましたよね?
izzy : いい蹴りだったでしょう?俺もまさか血を流しているとは思わなかった。
TV : サウンドに関しては、ボクの好きな古いパンク~ハードコアの影響は大きいと思います。音楽的に「まったくの新しい音楽」を作り出そうという気はないんですよ。自分が熱中したパンク~ハードコア、時にはハードロックやメタルにオルタナ、ロカビリーまで、好きなものをごちゃ混ぜにして「パンクロック」のフィルターを通して出力しているつもりです。
hrp : ステージングに関しては、まだ固まってるとは思ってはいない。ビジュアルが個性的っていうのも、自分達の好みで少しづつ良くしようとした結果、個性的になってしまった、という風に自分では受け止めている。
izzy : ある程度の事は俺が入る時点で決まっていましたね。特にステージングに関してですけど。そこらへんはTV姐さんがしっかりしたビジョンを持ってて。最初のライヴの時から鞭のパフォーマンスはずっと通してやってます。それはSMファンが欲しいってことじゃなくて。いや、SMファンも欲しいんだけど、鞭や僕らのルックスは少し偏った感があるかもしれないけれど、エンターテイメント、ロックンロールショーのひとつのイクイップメントだと思ってます。だから、SMの人も、同姓愛者の人も、マニアも、みんなで楽しもうぜ、ってことです。この鞭止~まれっ!という感じで。
カント : ライブで僕が受けた蹴りはイレギュラーでしたが、そういうものも含めて、もっと突き抜けたパフォーマンスを狙っています。基本的なパフォーマンスや演出は自分がメインで考えています。izzyが入った頃からもっとインパクトのあるパフォーマンスがしたいと考え、鞭や蝋燭の件をレギュラー化して、特に自分のパフォーマンスはライブによってインパクトのある、見栄えのするものをと考えていました。衣装も以前は次第に脱いでいき、パンツ一枚になっていたのですが今は最初からパンツ一枚で行くという形に今のところ落ち着いてますが…まだ変わることも考えられます。
●ところで「hanbundake」はものすごくインパクトがある曲ですよね。ロー・ファイであることを全く問題としないというか。いろんな角度から見ることのできるロック・チューンとして成立している感がありますが、やはり曲を作る際に直感的に出てきたフレーズだったのでしょうか?
TV : 元ネタを作ったときは直感です。ボクが蓄積してきたパンクやロックからポロっと生まれてきた感じかな?
izzy : これはもともとTV姐さんが持ってきた曲で、凄くパパパらしい曲だと思います。俺的には直感的か?と言われると、そうじゃなくて結構悩んで作った感はありますね。姐さんは直感的だったのかもしれない。
hrp : 曲の初期のアイディアの時点では、直感的というか自然に出たフレーズが元になっている。曲のきっかけはTVの持ってきたデモだった。みんなでそのイメージで演奏してみたけど、自分としてはあまりしっくりいかなかった。デモに入ってたリズムパターン(ただの8ビート)のイメージが強すぎたんだ。それで、あまりにも気持ちよくドラムを叩けなかったから、もう好きにやろうという事で、自分で曲の流れを最初から考え直すことにした。僕が意識したのは、イントロからギターのフレーズの感じに合わせて多少不規則なリズムで、それと対照的に、サビではストレートにリズム自体をまったく変えてしまった。
●なるほど。ではメンバーそれぞれの使用している機材や愛着のあるイクイップメントなどを教えていただけますか?ステージングの際、いろいろな「イクイップメント」を用意されていますね?
TV : 機材で言えばスタインバーガーのヘッドレスギターは外せない。とにかく人が使ってないもの、異形なものを求めてしまう。衣装については基本的には各メンバーにお任せです。それでも皆にいちいち指示しなくても適切な装備をみんな用意してくれている。とにかく「普通」のロックバンドには見られたくないって思いは皆どこかにあるのかもしれないけど、パフォーマンスで使っている「鞭」や「蝋燭」についての愛着は敢えて語らないでおきます(笑)ライブを見に来てください。
hrp : スネアはDWのall-mapleの4x14”。仕様のせいかすぐにチューニングが狂うけれど、木の鳴りが良くて使ってる。ペダルもDWで9002。 ツインペダルの右側だけを使っている。「イクイップメント」は覆面を愛用してる。それと、薔薇をジャケットのフラワーホールに刺す。これは造花じゃぜったいダメだ。 気分と鮮度が違う。
izzy : 俺は機材にはほとんど無頓着なんですよ。強いて言うなら、335が好きってくらいで。アンプもそんなにこだわらないし。いや、チューブが好きっていうのはあります。あと、パパパはカジュアル禁止だから、俺はいつもぱりっとした格好してるよ。革のサスペンダーは必需品ですね。
カント : 僕のマイクは自前のSM58。なによりくわえたり無茶するパターンが多いのでライブハウス等に極力迷惑かけない為にという意味で自分のマイクを使用しています。ちなみにマイクのアフロの部分はくわえやすさを考え軽く潰しています。こだわりはパンツ。大まじめに、隠す布地の部分は極力少なく、かつデザイン性、フィット感を重視して選んでいます。しかし自分を100%満足させてくれるパンツはなかなかありません。
●PAPAPAのルーツを明快に感じさせてくれるサウンドと、いわゆる日本のごった煮的なクロスカルチャーをイメージさせる部分は海外のリスナーへの訴求力があると感じますが、それを意識することはありますか?
TV : PAPAPAのライブを観た外人のお客さんが、興奮しすぎてステージに上がって延々踊っていた事があって。その時は、あまりにも外人さんがステージに上がりっぱなしだったので、ステージ下にいた日本のお客さんが文句をつけて口論になっていました。「邪魔すんな!」「Go、Home!」みたいな。
hrp : 外人受けを狙ってるわけじゃないけど、メンバーがみんな洋楽の方が好きなバンドが多いから自然とそうなるんじゃないかとは思う。
izzy : 俺も特に意識はしてないけど、外人さんのお客さんが多く入ってる箱なんかだと、結構楽しんでもらってると感じることはありますね。まぁ、ノリもいいし、色モン好きでしょうからね。そう言った意味じゃ、俺たちは海外向けの部分もあるかな?もっとその辺を掘り下げるのも良いかなとは思ってます。
カント : 僕は今の段階では特に意識はしていませんが、自分たちの曲やパフォーマンスを引かずに前向きに楽しんでもらえるお客さんは日本でも海外の方でも、やはり嬉しく思いますね。逆にドン引きしてるお客さんも好きですけど。
●なるほど。ではPAPAPAが最も影響をうけたアーティストを教えてくれますか?映画やアートなど、音楽以外でも構いません。
TV : CRAMPSは言うまでも無く・・ってことで。60年代のガレージパンク。
ストゥージス、MC5などのデトロイト系。70年代のパンク、パワーポップ全般、80年代のハードコア。90年代の日本のガレージシーン。特にティーンジェネレートには影響を受けすぎてるかも。実はメルツバウや灰野敬二さんなどのノイズよりのアーティストも大好き。
izzy : 俺は断然ガンズ。ハードロックか!って突っ込みはご愛嬌ってことで。実は、ジョニサン、ストーンズは大好きです。日本ではブランキーとか、ギターウルフなど好きですね。俺らのステージングにはギターウルフの影響あると思います。まぁ、俺たちのは彼らほど男臭くなくて、少しエンターテイメント色強いかもしれないけど。
hrp : 一番影響を受けてるのは、映画Trainspottingだ。映像も音楽も登場人物もかっこよすぎる。今でも何かしようと思ったときにIggyの声が聞こえる。
カント : Slipknot。楽曲のかっこよさだけでなくお客さんを盛り上げるパフォーマンスは勉強させてもらう部分が非常に多いんですよ。
●では、ライブのスタイルとしてこれから突き詰めて行きたい理想型、例えばどういった場所でショーをしたいと思いますか?また、印象にのこっているステージでのエピソードなどがありましたら教えてくれますか?
TV : 何よりも、バンドとのしてのオーラを身にまとうことが大事ですね。ステージに立っているだけで「画になる」特別な存在感を手に入れる。触れるのが躊躇われるよな特別なヤツを。一度、酔っ払った客がステージに上がってきて、マイクを奪ったり暴れまわったりしてライブがぐちゃぐちゃになってしまったことがありました。その時は客を下ろしたりして収集をつけたけど、そんな行為が成立しないくらいがちょうど良いですね。以前、興奮した客がカントのパンツを引き裂いたときも焦ったかな?
izzy : そうですね。オーラですね。だからこそ、ライブやってかないとです。
カント : カント個人として言えば、ライブ中のステージ上ではもちろん、近寄り難いオーラを出して、ステージ飛び出したらみんなに酒かけられたり、好き放題やられるって図式は良いですね。早く客席飛び込んでこいー、みたいな。そしてもっとお客さんが引いてしまうけど、目が釘付けになってしまうような突き抜けたパフォーマンスが良いですよね。
hrp : 場所でいうと、ミュージックビデオが垂れ流しになってる、どこかの汚いバーのテレビの中が理想だ。
●今現在、PAPAPAが国内で注目しているカルチャーや、音楽などがありましたらお聞かせいただけますか?
TV : 音楽で言うと、PAPAPAもそうなんだけど、どこのシーンにも属していない「はぐれもの」なバンドやミュージシャンが気になるかな。三軒茶屋ヘブンズドアあたりをうろるろしてる人たちは面白い人が多いですね。
izzy : 俺はカルチャーとしてのブリーダー。犬のブリーダーです。ペキニーズって犬種の子を二匹飼っていて、三匹目もペキニーズってことで、最近見学させてもらったんです。犬舎さんもペキ専門のところだったんだけど、もうそこらじゅうがペキニーズ。普通の家にあんないっぱいのペキニーズ。羨ましくてたまらなかった。
hrp : アニメが面白い。子供向けじゃなくて、”大きな子供”向けのものが沢山あって、笑えるものから考えさせられるものまでバリエーションが抱負すぎる。
カント : 僕は仏像ですね。今阿修羅展やってますよね。それとは関係なく以前から好きなんです。心身ともに一気に爆発させるライブをするので、逆に落ち着けてくれる仏像にすごく癒されるんですね。純粋に仏像個々のデザイン、スタイルなどにも惹かれます。
●阿修羅展は最近ほんとにいろんなミュージシャンから良いと聞きますよね。では、最後にArt Yardの読者に向けてメッセージをお願いします。
TV : パフォーマンスも音楽も僕らは本気。一度見に来て欲しい。悪ふざけしてるように見えるバンドだけど、悪ふざけも本気でやればエンターテイメントとして成立し得ることを感じて欲しいですね。
izzy : 是非、ライヴに足を運んで欲しいです。僕らのことを楽しんで欲しい。
大笑いしてくれてもいいし、靴投げてもいいし、もちろん鞭叩きに来てくれても構いません。ペキニーズ好きも大歓迎(笑)ライヴ後はみんなで飲み行きましょう。
hrp : 賢い人は自分が見た事と人から聞いた事を同じ価値には置かない。興味を持ったら、PAPAPAに限らず、見ればいいと思う。
カント : ライブ見に来るきっかけは興味本位で全然構いません。その興味本位を突き抜けてしまう位のいろんな意味ですごいライブをお見せしますので。
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