その佇まい・声・アンサンブル。渋さと素朴な力強さで多くのリスナーを魅了している人気グループ、ペトロールズが、なんと初の誌上ロング・インタビューということでArt Yard informerに登場。なんとも和やかで素敵な雰囲気を持つ三人のミュージシャンたちに語っていただきました。折しも「雨」の下北沢で行われたこの素敵なインタビュー。夜の下北沢一番街に笑い声がこだまする。ペトロールズ×Art Yard informer!
●ではよろしくお願いいたします。まずは皆さんがどのようして音楽の世界に飛び込んで行ったのかを知りたい方は多いかと思いますので、さかのぼってお伺いしますが、幼少の頃から音楽は身近なものだったのでしょうか?
長岡 : 僕は父親が趣味でブルーグラスっていう音楽をやっていて、そういうフェスには行っていましたね。中学の時にギターを始めて、高校からカントリーを始めて今に至る、という感じです。高校の頃にボブと出会いました。大学の途中で椎名純平さんの演奏のお仕事があって、その時にジャンボと会いました。
ボブ : 僕の小さい頃は生活の中に音楽はあまりなかったですね。母親が古い洋楽とか歌謡曲を聴いていたっていうのはあります。中学の頃に友達にバンドに誘われてからビジュアル系と呼ばれる音楽を聴きだして。BUCK-TICKとLUNA SEAがもうヒーローでしたね(笑)それで高校に入って(長岡氏と)出会って、ビジュアル系のバンドに誘ったら、俺はそんなのやらないって言われて(笑)もっと洋楽聴きなよっていう話になってそれから洋楽をちゃんと聴くようになったというか。
ジャンボ : 僕は家で母親がピアノの教室を開いていて、小さい頃は僕もピアノを習わせれていて。自分の母親に習うと甘えが出るっていうので近くの母親の友達のところに習いに行ってたんだけど。でも小学生で辞めちゃって。はっきり言って嫌いだった。凄いやらされてる感があって。それで、中学の頃にギターを始めて。その時に音感があることに気がついて。そこでピアノをやってたことに感謝したっていう。学校から帰ったら晩飯前までずっとピアノの音が流れてたから、メロディに慣れ親しんでたんだろうなって。
長岡 : ピアノやってたの知らなかった…
ジャンボ : その頃聴いてたのは洋楽のハードロックとかヘビメタですね。ガンズ、メタリカ、オジー・オズボーンとかですかね。
●なるほど。ではペトロールズの結成に到る経緯について教えて頂けますか?
長岡 : 僕はもともといろんな所でギターは弾いてたんですけど、純粋に楽しくやりたいことを追求できる場所を作りたいなと思って。昔の曲はロックっぽいのも多いんですけど、ロックじゃないような事をしたくて。それで"3人"ていうのが格好いいと思っててっていうビジョンがなんとなくあって。それで、ちゃんと話せる人とバンドを組んだという感じですね。
●初めて音を合わせた時は、どのような感じでしたか?
長岡 : ライブハウスだったよね、カントリーハウスっていう。
ジャンボ : 開店前ね。
長岡 : ここの二人はこれが初対面。
ボブ : なんかでっかい人連れてきたなぁ、って思って。
一同爆笑
ジャンボ : 名前だけお互い聞いてて、店の入り口でちょうど一緒になったのかな?
ボブ : そう、そうだ。俺ね、まだ敬語でね、あっ宜しくお願いします!なんて言ってね。
ジャンボ : もう俺もね、まず土下座から入ったみたいな。あっボブさん、ボブさんですか?なんてね。
ボブ : もうお互い土下座しても拉致があかないからなんて言ってさ。
長 : まあ上がれよ、なんてね(笑)。でも…その時はね、まだ何も固まってなかった。自分の曲をやってるっていう実感はあったけど、「キタなーっ」ていう感じではなかったです。
●なるほど。そういうものが来た時期っていうのはありますか?
長岡 : そんなにないですよ(笑)
ジャンボ : あはは(笑)
長岡 : そんなに陶酔しないですよ(笑)
ボブ : でも確かに、最初に合わせた印象ってそんなにないねえ。
●現在までにリリースされている音源は自然とセッションを重ねて作り上げていったていう感じなんですか?
長岡 : もともと強引な始まり、っていう感じですからね。
ジャンボ : そうそう。あのね、MDを渡されてたんですよ。多分あれは部屋で弾き歌った感じの…。
長岡 : (笑)・・・弾き歌ったねー。
ジャンボ : こういうのやりたいって言ってね。ドラムもベースも入ってなくて。
長岡 : そう。ほんとに何も入ってない。
ジャンボ : 最初どうやってたんだっけね?
ボブ : なんとなくだよね(笑)。多分この曲はこういう風に叩いてほしいんだろうなっていう感じで。
●あまり長岡さんからは何も言わないんですか?
長岡 : その頃はザックリは言ってました。今はもう、場合に寄るけど。
ジャンボ : そういうのりしろが多いからやり甲斐もあるし。
長岡 : あまり指定はしないですけど、指定しないということに対して委ねている部分があるでしょ、全く意味の分からないことをする人だったらメンバーになっていないと思う。
●信頼してるんですね。
長岡 : ちょっと照れくさいんだよね、なんか。
ジャンボ : 照れちゃ駄目でしょう。
ボブ : 照れくさいかー!ごめんね、俺がそういう雰囲気作っちゃってるんだね。
長岡 : 作ってないよ(笑)
●(笑)・・・ペトロールズのライブを何度か観させて頂いていて思うんですが、音と音の隙間が気持ち良いなって感じるんですね。その"間"っていう ものに魅力を感じてるお客さんも多いと思いますが、そのグルーブ感というのは皆さんのバックボーンになっている音楽とは関係があるんでしょうか?
ジャンボ : さっき話していたロックじゃないっていう部分にも繋がるとは思うんですけど。まあこの編成で言ったらロックじゃないですか。それは隙間がないものじゃないですか。
長岡 : うん、(隙間が)ないのが多いよね。
ジャンボ : 僕はこのバンドを始める前はヒップホップのバンド(Loop Junktion)にいたので、けっこう隙間だらけだったかなあ。まあ僕らがやっている仕事自体が隙間産業っていうか・・・
ボブ : あー来た!来たなあー!
長岡 : 3人だとそれを埋める方向で、3人よりもっと多く!みたいな考えで頑張る人が多くて。特にロックとかだと。曲を作る時のイメージで、例えばこれはマドンナ的な華やかさで、ってイメージしても3人じゃ(その華やかさは)表せないないじゃないですか。でも、そのイメージを持ちつつ3人で演奏すると隙間が出来るんです、絶対に。俺も埋め尽くすようなギターは弾かないし。要はどんな音楽もそうだけどリズムの部分を抽出して演奏するみたいな感じがあるかもしれないです。だから、なくてもいい所はやらないっていう。余計なことはしない。だから隙間がある。
ジャンボ : 隙間があるのと、何かが足りないのとは違うっていうね。
長岡 : そうそう、そういうことです。良い事言う!
ボブ : あー来た!ホント来たー!
●・・・ボブさんはどうですか?(笑)
ボブ : 僕は最初、隙間に慣れてなかったんですけどね、聴いていた音楽もビジュアル系とかジャーマン・メタルとかだったんで。
ジャンボ : ジャーマン・メタル(笑)
長岡 : ガンマ・レイ的な?
●・・・カイ・ハンセン的な(笑)?
ボブ : そうそう。だからギターもう一本とキーボードくらい必要なんじゃないかなって。スッカスカだなあとか思って。でもずっとやってたら、無駄なもの削ぎ落としてシンプルなものは、素材の味を追求するみたいな感じなのかなって。そのスカスカな部分もありつつ、3人で重ねられる所は重ねていくとより緩急がついていて良いというか、隙間って良いなって。
長岡 : うんうん、そうだと思う。
●何というか、コーラスもちょうど良い所でいつも入ってきますよね。
長岡 : コーラスは僕が言うことが多いけど、メンバーからアイデアがあって、ここはこういうライン入れようよみたいな感じのときもある。コーラスは楽器だと思っています。そういうコーラスができたらね。
●リズム楽器のような感じですね
長岡 : そうですね。あまり居ないと思うし。ギターで埋める方向ではなくて、コーラスを別の楽器として補間していくっていうのが格好いい。
●なるほど。皆さんは歌うっていうことは元々されていたんでしょうか?
長岡 : 誰もしてないよね?
●長岡さんはどういうきっかけで歌うようになったんですか?
長岡 : いや…歌ってみようかなって。
一同爆笑
長岡 : ほんとそれまでは全然歌ってなかったし、今と違うよね?二人もなにせ楽器を弾いてるから。多分歌に対してハモるだけだったら二人ならすぐ出来ると思う。でもペトの場合はコーラスが歌に対して全然違うラインに行ったりするからけっこう大変だと思うけど。
ボブ : でも僕も歌自体は好きだったからね。なんとなく歌ったりはしてたね。
ジャンボ : 俺も好きだったね。コーラスをやり始めてからボーカリストの偉大さが分かるようになったっていうのもあるし。
ボブ : 正にそうですね。
●コーラスを集中して練習したりもするんですか?音感があるとそんなに難しいものでもないんでしょうか?
ボブ : 実践となるとねえ、けっこう難しいねえ。
ジャンボ : 車の中で一緒に歌うのとは訳が違うからね。
長岡 : 多分慣れもあると思いますけどね。
ボブ : ドラムは音程がないのでそんなに大変でもないんですけど、ベースはね・・・。
ジャンボ : 自分が弾くところも歌ってるんでね。
長岡 : 弾いてる音の半音下で歌うとか、凄い難しいと思う。
ボブ : ドラムはマイクが邪魔だっていうだけかなあ。
長岡 : インカムでいいんじゃない?
ボブ : インカムやりたいけど鼻息が入っちゃうから、ハアハアハアって。
一同爆笑
ジャンボ : ブラシで叩いているみたいになっちゃうね。
長岡 : 鼻ブラシでいいんじゃない?
ボブ : シューシューシューッ!
ジャンボ : 鼻ブラシって鼻毛じゃん!
ボブ : ・・・ということでやっぱりそりゃマズいよね、うん。
●(笑)・・次の質問ですが、ペトロールズの曲で「雨」という名曲がありますよね。この曲はどういった経緯で書き上げた曲ですか?
ジャンボ : それそれ。俺も聞きたいなー。
ボブ : 俺も気になるなそれは!
●基本的に長岡さんはあまり説明しないんですね?
長岡 : 言わないですね。だって恥ずかしいんだもんなぁー。
●曲については、どういった感じで皆さんは感覚を掴んでいくんでしょうか?
ボブ : 僕の場合はライブで何回かやっていくうちにっていう感じかなあ。最初に聴いてすぐにスーッと入ってくるっていうのはそんなに・・・
長 ないねえ。ひねくれてますからね僕は。
●では、この「雨」に関してはどうでしたか?
ボブ : これも最初は言われるがままにやってみて、みたいな感じだったかな?
長岡 : パーツっぽいんですよ。ベースがベースっぽくなく、ドラムもドラムっぽくなくて、リズムが3人で出てるから曲として把握しづらいんだと思います。パーツを演奏して他のパーツと組み合わせてちゃんと聴こえてくるまでに時間がかかるかもしれない。それも自信ないしいつも。
ボブ : でも、やっていく中で改良されていく部分がいっぱいあるよね。
●なるほど。歌詞と曲でいうとどちらが先に出来上がりますか?
長岡 : 曲ですね、絶対に。歌詞は出来ることなら書きたくない(笑)。
ジャンボ : あはは、凄い分かる(笑)。
長岡 : ただ時々、曲に対してぱっと歌詞が出てくる時があって。そういう曲は、みんなが良い!って言ってくれてるかも。「雨」とかはそうですね。
ジャンボ : そうだろうなと思った。最初から完成されてたし。
●お二人は曲に対してはあまり助言はしないんですか?
長岡 : しないしない。
ジャンボ : そんな大手術はないですよ。アレンジの部分で、だよね。持ってきたものに対してはそれなりの敬意をはらっているので。
長岡 : 優しいんですよ。優しいの。
ボブ : う~ん…。いや、優しいんだろうな。
ジャンボ : 今、自分が優しいかどうかをちょっと吟味してたんだよね。
ボブ : そう、俺って優しいかな、って。
ジャンボ : (笑)・・・歌詞とかも、何か書いたものを配るっていう感じじゃなくて、何度も聴いているうちに入ってくる感じですね。インストじゃなくて歌だから、もちろん何の事を歌っているかは理解しなきゃ始まらないけど、最初はメロディから歌の情景だったり感情だったりっていうのを思って大事にしていくっていうか。
ボブ : 雨について歌ってるなっていうのが分かってからは、ここ雨っぽく叩いてみようかなって思ったりしますよ。
長岡 : ありがとうございます。
ボブ : いやいや、優しいですからね。
長岡 : そうかそうか(笑)。あとは…あんまり強いメッセージっぽくしたくないんですよ。意味がなさそうであるのは良くて。頑張れなんて言いたくないけど、頑張ろうかなって思えるようにするみたいな。
●なるほど。では、皆さんそれぞれの使用している楽器について教えていただけますか?
長岡 : 僕はもともとテレキャスターでやってたんです。僕の一番信頼している、高1くらいから使っているテレキャスターがあって、最初はそれでやってたんですけど、テレキャスターって皆弾いてるじゃないですか?特に最近は。テレキャスターって技巧派っていうのかな?本当に上手い人がバリバリ弾くものだと思ってて。それでボーカルがテレキャスター持ちながら歌ってると、そういうバンドいるよね、みたいな。僕は形から入るのでそれは嫌だなって思って、ギブソンのモダーンていうギターを買って。これは形が変で、それだけで印象に残るかなと思って。以前「FACTORY」っていう番組に出た後にフジテレビに問い合わせがあったみたいで。要は見たひとの心の中にさざ波が立ったという状況ですよね。変形でいて基本的には歪ますわけでもないし大人っぽい音が出るっていうそのギャップも自分の中で大事かなって思って弾いてますね。
●長岡さんは他に居そうなのは嫌だなっていう概念は昔からありましたか?
長岡 : もうそれだけですね。昔っから。僕なんて本当にそれだけです。
●車もお好きみたいですよね?
長岡 : 車と自転車ですね。順番で言うと車、自転車、ギターですね。
ジャンボ : そこを掘り下げると車雑誌になっちゃう(笑)。
長岡 : ちょっと車、自転車の話は周りが気持ち悪くなっちゃうと思う(笑)。
●(笑)・・・ボブさんはいかがでしょうか?
ボブ : 僕は見た目はあまり気にしないですね。好みの音とか価格で選びますね。今はメインのセットはYAMAHAのYD9000Rです。
長岡 : なんで黄色なの?
ボブ : 安かったんだよね…あと黄色だと自分に似合うかなって。よく黒人ぽいって言われるし、ステージ映えもするんじゃないかな?って。
長岡 : ドラムは大事にするよね、車とかはぶつけまくるのに。
ボブ : ドラムはね…。
ジャンボ : とか言ってドラムも滅茶苦茶に叩いてるじゃないか!
ボブ : ・・・叩かなきゃ仕方がないでしょ、ドラムは!(笑)
長岡 : でも二人とも楽器大事にするよね。俺なんてギターのヘッドがいつもケースから出ちゃってる状態。モダーンは専用ケースがハードケースしかなくて、ベースくらいあるんですよ。幅もあるし。
ボブ : 大根買うとスーパーのビニールから出ちゃうでしょ、あんな感じだよね(笑)
ジャンボ : 僕はペトロールズの中でもいろいろ使ってて。FENDERカスタムショップの64年モデルのFENDERJazz Bassとか。なるべくエフェクターを使わないようにして。アンプはそこにあるものですね。演奏する場所によって違うからそこも楽しみにしてて。7、8本ですね、持ってるのは。今はミュージックマンのもの。79年製だそうです。URGH POLICEっていうバンドの名ベーシスト、吉井和哉さんから頂いたものです(笑)。吉井さんは元々ベーシストなので。
●なるほど。長岡さんはエフェクター等はどういったものを使っていらっしゃいますか?
長岡 : 僕はワウペダルと歪みとディレイがあれば済むんですけど。この前のライヴではカール・マーティンのDCドライバーというのと、クライ・ベイビー、トリック・ゲインというエフェクター、その後にディレイっていう感じでした。あんまり繋ぎたくないんですけどね、歌に集中できなくなっちゃうから。でも今って…逆に何も繋がない方が個性的なんじゃないかなって思ったり。みんな絶対繋ぐし。カントリーをやる時は何も繋がないです。アンプは一応FENDERのBLUES DELUXEっていうのを持って行ってますけど、何でも平気です。あとはデーウーで(笑)。でもこの間Jazz Chorusを使ったら良かったんで、Jazz Chorusでもいいかなって。
●Jazz Chorusはトランジスタの名機の一つですしね。
長岡 : どこにでもあるしね。
ジャンボ : みんな必要最小限だよね。
●そういうのが根底にあるのかもしれないのですね、ペトロールズ自体に。
長岡 : そうですね。コンパクトというかミニマムというか。だから隙間が生まれるんだろうし。ベースなんか特にね、音の切れ際がある人なんてあまり居ないですからね、色っぽいと思います。
●レコーディングとかだったらいろんな機材も使えてしまいますけど。
長岡 : でもあんまりレコーディングしたことないからなあ、どうなんだろう?
ジャンボ : 『amber』の時にアイディアが沢山出て、いろいろしたから、ライブの事をもう少し考えればよかったなって思うことはあったかな(笑)
長岡 : でもライブで全然違うからってあんまり関係ない。その時の記録で。
●ライブはライブで、っていう
長岡 : そうですね。決め事みたいにみんな音楽やりすぎなんですよ。
●確かにそうですね。では次の質問なのですが、オフィシャルサイトのイラストはどなたが描かれたものなんでしょうか?
長岡 : あれはYuko Mっていう絵描きの子が描いてくれたものですね。僕が中学の頃に組んだバンドで今でもやっているししゃもっていうバンドがあって、そこにコーラスで入ってきた子です。今ロンドンに住んでますね。
●そうなんですね。1stアルバムのブックレットも穴が空いていて面白いですよね。あれは長岡さんの案ですか?
長岡 : そうですね。なんか穴空けたいなって思って。他にあまりないし。
●そういったアートワークというか、イラストや映像といった音楽以外のものとのコラボレーションについては興味はお持ちですか?
長岡 : もちろんもちろん。この間、所沢で野外のイベントに出たんですけど、ライブペイントやってたよね。ああいうのも素敵ですね。自分達が演奏してる後ろで同時に動いていくっていうのがいいなあって。
●なるほど。今までいろいろなバンドと対バンしていると思うのですが、中でも気になるバンドはいますか?
長岡 : 格好良いとか悪いとか思うことはあっても、ペトロールズでやっているような感覚だなって感じるのは…観ていないかな。生意気?
ジャンボ : 生意気でもいいじゃない。
●(笑)・・・それに近い話題になりますが、現在の音楽シーンに対して感じることは何かありますか?
ボブ : 僕はアンダーグラウンドな所のシーンは凄く良いなって感じます。音楽家だなあ、アーティストだなあって思う人沢山いるし。
長岡 : 凄い多極化してるんだなぁ、って。音楽って身近なものじゃないですか。それで成功する、成功しない、っていうものじゃないと思うんですよ。だけど「音楽で成功したい」っていう人もいて。それは芸能界とクロスオーバーしていったりするんでしょうし。あと不思議だなって思うのは、マスコミに出ていなくても大きなアリーナとかでライブできるバンドもいるでしょう?ああいうのは、いいなあって思いますけど。ただ、アリーナでライブしてるから凄いとか、もちろん凄いけど・・・そういうんじゃなくて純粋に聴いて選んでほしいな、とは思います。
ジャンボ : チャートっていう順位付けもあるけども、スポーツの記録とかとは違うし。CDを買う理由も人によって様々だし。
ボブ : でも皆正直だよね。その時買っても飽きる時は飽きるじゃん。だからランキングの入れ替わりも凄い激しかったりするんじゃない?
長岡 : もっと滑らかに繋がるといいと思うんですけどね。純粋な所と、華やかな所と。別にそんなに変わらないと思うから。だってねえ、同じような人ばっかり取り上げられて、取り上げられるにはどうしたらいいのかっていうポイントがあるでしょうし、そんな所は抑えられないし。そういうんじゃなくて、もっとスケッチみたいなものが音楽なんじゃないかなと。そうしますと、もっと皆が目を向けたり耳を傾けたり、もっといろんなものが花開くんじゃないかな。難しいなあ。僻みにしか聞こえないかもしれない。
●そんなことないですよ。ペトロールズが好きだ、っていう人は本当に多いですよ。
ジャンボ : いやあ、直接僕の耳には入ってこないなあ・・・(笑)
ボブ : 耳元で囁いてほしいなぁ・・・。「好きです」って。
長岡 : 嬉しいです。でも…なんだろう、バンド・シーンってロック主動でしょ?でもそうじゃなくて格好良いバンドもいっぱいいるじゃないですか。初めてジャンボがいたLoop Junktionとか、犬式とかCopa Salvoのとかが出ていたイベントを見た時に、世の中ロックロックっていうけどそうじゃなくて熱いものが沢山あるのに、って僕は思って。その辺りがもっともっと広まると良いと思うんですよね。だから一緒にやるのはロックバンドじゃなくても全然いいし。ペトロールズは全然ロックだと思ってやってないから。ロックっていうのは難しいけど・・・。
ジャンボ : チャートインはせずとも、やっぱり食べていける土壌は欲しいじゃないですか。アメリカとかヨーロッパならいろんな人(リスナー)がいるとは思いますけど、日本人の国民性として、周りに影響されやすいというか、よくいろんな所でかかっている音楽を聴くとか、並んでいるお店に入るとか。そこを変えていきたいよね。地道にライブをしていくしかないけど。
長岡 : 表現をして生活をしていけたらいいけど。それが逆転している感じの人もいるよね。まずは食い扶持。それも分からなくないけど。表現が大事ですね、純粋かどうかっていうことですね。
●なるほど。では、最近気になっているカルチャーは音楽以外で何かありますか?
ボブ : 僕は料理と映画かな。
長岡 : 料理しますね。音楽と似ていると思う。音で判断するし、タイム感とかね(笑)。いつ入れるか?みたいな。
ボブ : さっき言っていたシンプルな音楽っていう話に繋がるかもしれないけど、この間料理番組見てたら海外の三ツ星中の三ツ星シェフが日本に来てて、番組内で何か作ってもらおうっていう感じで、いろんな食材が並べられた中から料理する材料を選んでいたんだけど、その人が赤い蕪だけを取ったのね。それを塩で固めて塩竈焼きみたいなことしていて。番組のゲストの人も玉葱の味がはっきりしていて美味しいと。シンプルの極みだなって思って。塩加減と、火加減のみ。音楽もそういうのあるんじゃないかなと。
長岡 : 本当そうだよね。いろんな事で音楽にフィードバック出来ていったらいいよね、生きている中で。でも音楽やっている人はグルメな人多いよね。
ジャンボ : そうかもね。マズいもの食べたら腹立つなー(笑)
●(笑)・・・では今年も含め、今後のペトロールズの予定とビジョンについてお聞かせ下さい。
長岡 : 僕は長期的なビジョンが立てられないタイプの人間なんで・・・何かやりたいことある?
ジャンボ : けっこう好き勝手やらせてもらってここまで来てるので、これからもこういう感じなのかな。でも規模はやっぱり少しずつでも大きくしていきたいですね。規模ってなると動員っていう話にもなるけど。
ボブ : 動員が増えるってことは聴いてくれてる人が増えてるってことだからね。
ジャンボ : 俺たちのことが好きになる可能性があったのに、一度も聴かせることなく終わっちゃうのは勿体ないから、ツアーとか回りたいですね。
長岡 : うんうん。あと、レコーディングしたいですねえ。いつ出せるか分からないですけどねえ。1stを出す時も、ほんと無理くりでしたからね。絶対出すって言って。
ボブ : なんかジャケットのために俺スーツで牧場行ってねぇ・・・土地を買いに来た人みたいになってた(笑)。
長岡 : 乳絞ってたよね(笑)あれなんで牛だったんだっけ、丑年にリリースしたからだ?
ボブ : じゃあ今年出すならスーツ着て虎の乳絞らなきゃね。危ないけど(笑)。
●(笑)・・・では、最後にartyardの読者にメッセージをお願いします。
長岡 : ブレないで、良いと思ったものを見たり聴いたり食べたりして頂いて。そういう自分の中の審美眼をきっちりと持って頂けたらと思います。それでアウトプットするなら何かやってもらえたらいい感じになるんじゃないかと思います。僕も、そうします!長岡でした。
ジャンボ : 皆さんの作っていくものがこの国の文化の一部にもなると思うので、新しいことをする事と同時に昔からのものも大切にして、オリジナリティを出して行って下さい。
ボブ : 僕は専門学校を1年で辞めたんですね。自分の感覚を信じたというか。他の皆と同じことをしなくても、一番に自分の感覚を信じていろんな事をやってみるといいと思いますね。
●なるほど。ペトロールズの皆さん、どうもありがとうございました!
End










