PHOTO:山田敦士
●よろしくお願いします。デビュー15周年、おめでとうございます。まず15年を振り返るという意味でも遡ってお聞きしたいのですが、この世界に入ったきっかけは?
篠原ともえ(以下篠原):ずっと芸能人になりたいって思っていて。小学生くらいの頃かな?人前に出るお仕事がしたいなって。それで中3の時にオーディションを受けて、そのオーディション自体には落ちたんだけど。その時小泉今日子さんの「あなたに会えてよかった」を歌ったの。それがきっかけでソニー新人開発部にいて。モダンチョキチョキズ、スチャダラ・パーのライブに何度も行っては楽屋でギャーギャー騒いで(笑)。そんな毎日を送っていたら毛玉が沢山ついたセーター着てるおじさんが、「君面白いから今度うちの会社来なよ」って。その人が、キューンレコードの社長さんだったの。それで電気グルーヴも好きっていう話をしてて、今度会わせてあげるって言われて行ったのが、石野卓球さんと出会うきっかけとなったオーディションだったんです。
●もともと歌主体の始まりなんですね。
篠原:歌は好きっていうのはありましたね、だけど何でもやりたいっていうのがあったかな。デビュー前に何になりたいの?って聞かれた時も、歌って踊れるデザイナーとか言ってたし(笑)。社長にもよく分からないって言われながら。
●なるほど。篠原さんのデビュー当時は、やはりお洋服がとても印象的なんですね。小さな頃から何か影響は受けていたんでしょうか。
篠原:お洋服は、母が洋裁をしてた影響で小さい時から作っていましたね。小学生の時はお人形の服を作っていたので、作ることは8歳の時から。デビュー当時はスタイリストさんも居ないし、全部自分でしたね。イベント用の衣装とかも。形紙つくって。今も作ります。派手にしたいっていうのと、虹色が好きなので、カラフルなものを当時は選んでました。でも影響を受けた人は、意外にもオードリー・ヘップバーンだったりするんですよ。デビュー当時、私が前髪短いのは彼女が大好きだったから(笑)。髪を切るシーンが好きで真似して切ったら、あれ?なんか違うって(笑)。腕輪をじゃらじゃら付けてたのは、当時テレビ局が渋谷にあって。収録に行く途中、原宿で降りて竹下通りで沢山買ってって。目立とうと思ってるからどんどん買っちゃうんだよね。それでそのままそれを付けて収録みたいな感じだったからですね。よくシノラーの原型は何ですか?って聞かれるんだけど、いろんな好きな物の集合体ですね。
●そうなんですね。では質問を変えて、15周年を迎えられてこれまでにいろんな環境があったと思うのですが、篠原さんの中でターニングポイントになったような出来事はありますか?
篠原:二十歳くらいの時に、竹中直人さんから舞台のお話を頂いて。今まではお芝居について本気で考えたことがなかったのね。だけど、役にな生りきるっていうのが心から楽しいって思えたのがそのお芝居で。本当に面白くて。役も若奥様っていう感じでシノラーとは全く別のキャラクターで(笑)。ファンの人が、何も付けてないともえちゃんも好きだよって言ってくれたりもして。私、騒いでないと怖いっていうのがあったんだけど、いろんなともちゃんを見せていいんだって思えるようになって。その辺りからかな、髪もおろしたり。それまでは、おだんごじゃなきゃ駄目、みたいなのが凄い強かったし。"新しい自分"じゃないけど、発見できたというか。
●この夏にもまた舞台があるそうですね。
篠原:向田邦子さんの作品なんですけど。朝丘雪路さんとご一緒させてもらいます。お嫁さんの役ですね。ライブイベントもやるけど、お芝居もやる、みたいな感じでいろんな事をしていたいですね。お母様世代にも、ヤングの皆さんにもきゃぽ☆って言えるように、枠を決めたくないっていうのがありますね。いろんなことをして、いろんな世代の人達を楽しませたい。ともえちゃんって何でもできちゃうんだねっていう人になりたいです。器用貧乏っていう言葉があるけど、それ最高じゃんって思うんです。一度何か一つに絞ろうかなっていう時期があったんだけど、歌をやるとお芝居もしたくなって、やればやるほどどっちにも作用しちゃって。
●なるほど。感覚的な部分での変化っていうのはありましたか?
篠原:10代の頃は憧れの人が居ても一緒に仕事するのとかは夢のまた夢っていう感じでしたけど、15年経つと、あの方にお願いしようって言えるようになりましたね。16歳の時にデビューして、その頃好きだった人たちには全員会えてるし、絆も生まれて仲良くして下さってますね。
●その中でも、お会いして衝撃を受けたような方はいらっしゃいますか?
篠原:オノ・ヨーコさんです。とんでもなく遠い存在だと思ってた方なのに、私なんかにも分け隔てなく接して下さって。ダコタハウスもお招き頂いたんです。私が一番尊敬する本田ゆかさん(CIBO MATTO)が紹介してくれたんです。番組でショーン・レノンさんにインタビューしたこともあって、ショーンのライブに飛び入りしたり、貴重な体験をさせて頂きましたね。ヨーコさんって凄い存在なのに、全くそういう感じを出さないんですね。私の事知らなくても「あなたは今年最初のお客様だから。ようこそ!」って愛を配る感じで。だから私も、そうなりたいなって。ヨーコさんはその人がどういう人なのかとか、関係ないの。みーんなに平等で。そこにもの凄く衝撃を受けました。
●それは素敵ですね。では篠原さんが今、注目しているカルチャーはありますか?
篠原:なんだろうなー。カメラは好きですね。普段も沢山撮りますけど…主に自分の顔(笑)。あと洋服とか。この前デビューの頃からのお写真を整理してたんだけど、2万枚くらいあって。オフショット的なものも多くって。今持ってるのは、3台くらいかな。中でもGR (RICOH)を使ってます。誰か人を撮った時はすぐに現像して、サインペンでメッセージを書いてお渡ししたり、みんなで遊んだらコンビニで現像して渡したりとか。そういう心遣いは私、天才的なんです(笑)。
●(笑)。では今年の篠原さんの活動予定を教えて下さい。どんな一年にしていきたいですか?
篠原:ライブに来てくれた方や、デビューの時から応援して下さってる方もいらっしゃると思うので、ともえちゃんの事を好きでよかったと思ってもらえるような、プレゼントをしたいなって。twitterとか見てると、ともえちゃんのファンだってことで昔いじめられてたとか、あるんですよ(笑)。
●えー!!
篠原:シノラー好きだからいじめられたとか(笑)。シノラーに憧れて格好を真似してたら物投げられましたとか。でも、今も元気なともえちゃんを見ると好きでいて良かったです、って言ってくれて。いじめられても好きで居てくれてありがとうって思うから(笑)。今思うのは、中学の頃好きでしたって言ってくれてたファンがちょうど20代になっていて。お仕事で会うんですよ。篠原さんの影響で服飾科に行きましたとか、カメラマンになりましたとか。凄く泣けてきちゃうのね。それにまた勇気をもらって頑張ろうって思ってますね。
●分かりました。では、最後にクリエイターを目指す読者にメッセージをお願いします。
篠原:とにかく好きなことをやったほうがいいよって思います。私も好きな洋服を着て、好きな仕事をやってきて。多少周りに我がままだなって思われても、その辺りはお気を遣いながら(笑)。妥協しちゃうと後悔しちゃうから、妥協はしない方がいいと思う。私は普段も曲を作ったり、洋服を作ったり、絵を描いたりしてるとき幸せです。何かを作るっていうことをもし皆さんがしているなら、それを続けてほしいですね。会社のレポートにしても、こういうインタビューにしても、お料理にしても。自分が生み出すものって全てクリエーションだと思ってるから。なので作ることをあきらめないでほしいです。
●そうですね。篠原さん、ありがとうございました!
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