大阪・鰻谷sunsuiにて行われたArt YardイベントSQUARE PACKのスナップ集。当日は多くの人々が訪れ、音楽とアートに彩られた夜を楽しみました。前回の渋谷O-nestから舞台を大阪・鰻谷sunsuiへ移した初の試み。関東・関西のどちらも開催していく予定です。世間では様々な動きがありますが、いつものごとく多くの人々が集まる場所で表現を行い、新たなシーンを盛り立てるストイックなスタンスもまたひとつのあるべき姿だと感じています。それでは、当日の様子をどうぞ。
一般リスナーオープン前、すでに多くの作家が集まっていた。チケットはSOLD OUT。sunsuiは半地下になっているラウンジスペースがあり、独特の雰囲気を持っている。この日初めて出会った者同士も、意外にも共通項がある人々もいたようだ。同じ匂いを感じ取れる人々に会えるのも、イベントの醍醐味だ。
入り口付近には柿川健太の作品をタイル状に展示。シャープな印象で会場を飾っていた。彼は下北沢GARAGEでのイベント開始時から全シリーズに出展している。
オープン直後。すでに人・人・人。ライブで久しぶりに顔を会わせる者、他の展覧会で知り合った作家、各バンドのファン、入り交じっての本番前。予定より早くバー・カウンターをオープンしていただいた。sunsuiはフードがとても美味しく充実しているが、少々生産量が追いつかなかったかもしれない。会場スタッフの方、本当におつかれさまでした。
18:30、トップバッターの音動がプレイ。エレクトロを奏でる彼らの感性は非常に奥深く、鳥山(Vo/G)の拡声器による語りかけにも不思議な力を感じた。彼には独特のカリスマ性がある。ペトロールズの第一スティント・ファイナルがartyard studioで行われた日の深夜、彼と長岡亮介が音動の海外ツアーについて熱く話していたのが印象深かったが、その時の鳥山の言葉どおり、彼らは5月からオランダ、オーストリア、スペイン、そしてイングランドへツアーを予定している。
2番手にホットなインストゥルメンタル・ロックで会場を一気に湧かせたparadiska。初出演となる今回は、前回の渋谷O-nestでregaに担ってもらったポストとしてオファー。見事、その期待に応えるステージを観せてくれた。エキゾチックな雰囲気を持ちながらも、ロックバンドとしてのパワーに溢れたパフォーマンスで観客の支持を得ていた。そして、不思議ちゃんなドラムのMCにも温かい笑いが起こる。今後にも期待が寄せられるグループだ。
同時に外のラウンジでは同時にライブペイントや交流も行われていた。ライブフロア外も様々な人々が思い思いに時間を過ごし、飲み物を片手に会話に花を咲かせる。人気グループ、モーモールルギャバンの新作ジャケットを担当した森俊博が今回も参加しており、Art Yard SQUARE PACK出身者としては快挙となる期待の作家のひとりである。そして、彼の人あたりも、作品と同じように素晴らしいことを付け加えておきたい。
すでに超満員の中、3番手はThe Fractures(フラクチャーズ)。歌い出した次の瞬間、聴衆を惹き付ける中村大智(Vo/g)の声質。日本語によるロック・ボーカルがリスナーの心を掴む瞬間が、ステージ下の観客の反応を通じて心地よい。中村の声を十二分に堪能できるネイキッドなスタイルでのロックに、すぐさま大きな拍手が贈られた。アットホームな雰囲気の中、非常に魅力的なステージ。この日は大阪でのEP会場先行発売として、五味岳久(LOSTAGE)がアートワークを担当しているジャケットとTシャツ、マグカップを一足早く展開していた。4/30(土)には、下北沢GARAGEでのイベントに出演する。関東のリスナーは彼らの音楽を是非体験してほしい。もちろん、関西にもツアーでやってくる。
ステージ後、sunsuiのタコスをゲットするフラクチャーズ清水。バックにはCUEの制作したJOY DIVISIONのTシャツが。CUEは本イベントではDJも担当しており、また、五味岳久のアートワークが描かれたフラクチャーズの限定TシャツをArt Yardとコラボレーションにて制作している。
Art Yard SQUARE PACKには二度目の出演となるRojika。前回渋谷O-nestに続き、ホーム大阪での出演となる今回も浅井(Vo/g)の熱唱を堪能させてくれた。独特のゆらぎと生々しさがあるボーカルに、どっしりとしたロック・サウンドが畳み掛けるようなステージ。そしてこの日、彼らも新作を発売していた。前回はゲストでの出演であったが、今回は興行のフラッグシップを担えるバンドとしてオファー。大阪での強力な集客力もさることながら、ストイックでモチベーションの高い活動も高い評価を得ているグループである。
そしてトリはご存知、ペトロールズ。SQUARE PACKの外部会場企画がスタートした下北沢GARAGEで長岡亮介(Vo/G)が出演したことがきっかけで、第一スティント・ファイナルを含めてArt Yardとは縁深いグループであり、SQUARE PACK展には今回で二度目の出演となる。終始心地よく重いベース、それに呼応するボブのドラムス、長岡の紡ぎだすギターのグルーヴで観客の体にリズムを注ぎ込んでくれる。そして歌。限りなく渋く、頭に響くコーラスワーク。ボブ氏のMCにはやはり笑顔になってしまうのである。アンコールもプレイし、最後は名曲『雨』で。納得のステージを披露してくれた。
Art Yardイベントで恒例の、最後にステージからの一枚。皆の笑顔や、声が、粋な人々の風流さが、このアートと音楽で表現するイベントを続けていくことを誇りに感じさせてくれる。映っていなかった人、ごめんなさい。広角レンズの限界である。これを撮影した時にライブフロア外で楽しんでいた人も含め、この日集ってくれた全ての音楽ファンの皆さんや、アート好きの愛すべき人々に感謝したい。
翌日から難波artyard studioに会場を移して4日間にわたって行われた参加作家の展示。イベント終了直後にスタッフにて設営。多くの来場者が毎日訪れてくれたのである。時には座談会風になる日もあり、ご存知の通り、アクティブであればあるほど非常に有意義なグループ展となった。人との繋がりは、もっとも価値ある財産の一つ。そしていつも終ってみれば次へのわくわく感が楽しいSQUARE PACKである。次回、大阪ではartyard studioでマグカップ展を計画しているので、興味のある方はそこでも再会できることが楽しみなのであった。
今、世間は地震と原発問題で戦々恐々であるが、チャリティーを謳うわけでもなく予定に沿って行われた、とある普通のイベントと、普通の夜。もちろん僕らは完全ではないし、この世に完全なものなど多くはない。それでもここにあるものは、リスナーも含めてそれぞれの責任で過ごす、きっと揺らいでいても良いパーフェクト・ナイトである。自粛ムードが漂っていても、この夜集った人々は皆、自分自身や過ごした時間に対する責任は放棄してはいない。こういったイベントの終演後、いつもペトロールズの長岡君と話すのだが、表現する側として素朴で自由な雰囲気は堅持したい。それを皆さんとこれから何度でも感じたいのである。
4/30(土)は中塚武をゲストに、先述のフラクチャーズ、Rojikaなどが出演するイベントが東京・下北沢GARAGEで行われる。Art Yardに興味のある方は是非足を運んでほしい。そこでまた、素敵な夜を過ごせることを楽しみにしている。
公式Photo : 立岩綾野/Art Yard










