Art Yard Interview : Gold Panda

●Art Yardのインタビューへ登場いただき感謝します。まず、資料よりもう少しだけ詳しくあなたについてお聞きしたいのですが、ゴールド・パンダとして音楽活動を開始したころ、具体的にはどういった日々を過ごしていましたか?

ファースト・アルバムの『ラッキー・シャイナー』をリリースした後はずっと色々なところをツアーでまわってて、いまだにそのツアーが続いてるんだ。『ラッキー・シャイナー』で成功できたおかげで、ずっと今も音楽活動を続けられているよ。今はドイツのベルリンに住んでいるんだ。

●あなたの作品タイトルにはいろいろな地名が出てきますが、日本にいた時のことを教えていただけますか?また、外国で過ごし、様々な土地で得るインスピレーションをサウンドに具現化する時、どういったことを重視していますか?例えば本作『Half Of Where You Live』のトラックを設計していく段階で最も難しかったことは何でしょうか?

ずっと前のことなんだけど、鷺沼の有馬二丁目に住んでいて、英語の先生をやっていたんだけど、悪い先生だったなぁ(笑)当時、人生の中で何をやろうかなぁって悩んでた時期で、とりあえず日本に行ってみたら何か面白いことがあるんじゃないかと思って日本に来たんだ。何をしていいかわからないまま、目的がこれといってあったわけでもなく、日本に来れば何か日本に関係する何かができると思って来たんだけど、まぁその結果、英語を教えることになって、お金もあんまりなかったし、 楽しかったけどちょっと大変な時期でもあったかな。

インスピレーションを、どうやって表現するかよりも最初に見つけるサンプルから掻き立てられて曲ができていくっていうパターンが多くて、そのサンプルの中でもサンプルの持っているフィーリングとかノスタルジアみたいなものを重視するかな。ずっと長い間、そういうやり方でやってきていて、いいサンプルを見つけることができるっていうのも自分の中であるし、そのサンプルを中心にしてできていくっていう部分が大きいと思うよ。

前作の『ラッキー・シャイナー』を忘れることが大変だった。人が自分にどんなものを作って欲しいかより、自分が作りたいものを作るっていう方向に持っていくまでの段階が大変で、前作よりもフォーカスした作品を作りたいと思ってたんだけど、僕はたくさん曲を作るから色んなタイプのものができてしまって、フォーカスがかかっていないことがあるんだ。だからちょっと時間をかけてたくさん曲を作って、その中から似たサウンドのものを集めてフォーカスをかけるっていうのが今回やろうとしてたことだから時間がかかったよ。

●本作M5『Community』がお気に入りなのですが、このトラックはあなたにとってはどういったことをイメージさせるものでしょうか?

最初はジャムをしながら作ってたんだけど、レコーディングがうまくいかなくて全部消しちゃったんだ。だからまた一から作り直さなくちゃいけなくて。刑務所に入っている男の人がブルースを歌う人で、なんで罪を犯す前に警察が自分のことを逮捕してしまったのかっていうことを歌ってるのをサンプルとして使ってるんだ。以前、アメリカのたくさんの黒人が刑務所に入っているっていうドキュメンタリーを見たことがあって、僕はロンドンで生まれ育ったんだけど色んなカルチャーがあったり色んな人種がいる場所で、その中で自分のまわりにいたほとんどの人は白人じゃない人たちだったから、そのドキュメンタリーの内容と自分のまわりっていうものに共通点とか繋がりのようなものを感じたんだ。そういうサンプルをベースにジャムをやって、メインの構成としてはハウスミュージックっていうのが自分の中のイメージかな。

●とても興味深いですね。ところで、最近Art Yardではドイツはハンブルクのレーベル、Audiolithの2組のアーティスト(Frittenbude・Supershirt)を特集したのですが、ドイツ国内で気になるようなアーティストや、音楽以外でも構いませんが、暮らしていて興味をそそられることもありますか?

クラウト・ロックがいつも面白いと思ってるよ。僕がやっているノータウンっていうレーベルがあるんだけど、“ハネス・ラズムズ”っていうアーティストのリリースがあって、彼はハンブルグ出身のアーティストなんだけど、すごくアナログのテクノミュージックを作るアーティストでハンブルグ・サウンドが取り入れられた音楽だと思ってるよ。

●ベルリンという土地から受ける音楽活動上の影響は少ないとお聞きしましたが、地域性を意識しないことには何か理由はありますか?

今、そこに住んでるから繋がりが深すぎるんだけど、2曲目の「アン・イングリッシュ・ハウス」っていう曲はベルリンにある自分の家について作った曲で、ドイツの場所の中で唯一の安全な自分の場所っていう意味の曲なんだけど、やっぱりイギリスが恋しくてね。でも、ベルリンとベルリンの音楽の影響は少なからずとも自然に出てきてると思うよ。でもあえて自分でそれに影響を受けた何かを作ろうとはしてないな。

●あなたがご自身の作品や生き方に影響を受けたのは、どういった人々・作品でしょうか?特に影響を受けたと言えるものがあれば、教えていただけますか?

自分のレコードが自分の人生を変えたと思う。音楽一本で自分が生活できるようになったのもファースト・アルバムのおかげだから。前は趣味で音楽をやっていたんだけど、今は自分の人生のメインになっているし。プロデュースされ過ぎていないような綺麗すぎない音楽が自分は好きなんだけど、そういう音楽から影響を受けていると思う。影響を受けるものはいつも変わるんだけど、若いときは多分アニメとかコンピューター・ゲーム、でも少し大きくなってもコンピューター・ゲーム(笑)とか、自然だったりとか、模様だったり影響されるものはどんどん変わっていってるかな。特別この人とか特別この作品っていうものは特になくて、やっぱり自分の中のフィーリングだったり自分の中のものから直接影響を受けていると思うよ。今は窓の外を見たときの景色だったりとかよりシンプルなものに影響を受けているね。だからこの人とかこの人の作品っていうのはすごく難しい。でもヒップホップとか90年代の音楽がどんなマシーンを使って作られたかのかとか、音楽の作り方っていう意味ではそういうところに影響を受けていると思う。昔のアカイのサンプラーとかそれがもってるサウンドだったりとかは大好きだし、影響を受けてるね。

●では最後に、あなたは日本にとても馴染み深いと思いますが、日本のリスナー、特に新たにあなたの音楽に触れるであろう人々に、メッセージをお願い出来ますか?

なんて言っていいか分からないけど(笑)作品を聴いてもらって光栄です。これからもずっと同じものではない常に新しい音楽、面白い音楽を作り続けていきたいな。もし自分の音楽を気に入ってくれたら僕に教えてもらえると嬉しい。日本は大好きだけど、来すぎてて慣れすぎてるかな(笑)驚くことがもう何もなくてある意味ナチュラルでいられる場所だよ。

End

協力 : よしもとR & C
Live Photo : Teppei

 

2013.06.05 ON SALE

GOLD PANDA

“Half Of Where You Live”

「ガーディアン・ファースト・アルバム・アウォード」も獲得した傑作デビュー・アルバムからほぼ3年、ゴールド・パンダの新作が完成。シミアン・モバイル・ディスコのジャス・ショーを再びミックスに迎えた稀代のエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーによるセカンド・アルバム。

日本先行発売&日本盤ボーナス・トラック収録(予定)

■YRCU-98002■¥2,300(税込)/¥2,190(税抜)■解説付
★日本先行発売

★日本盤ボーナス・トラック収録(予定)

[収録曲目]

01. Junk City II / ジャンク・シティII

02. An English House / アン・イングリッシュ・ハウス

03. Brazil / ブラジル

04. My Father In Hong Kong 1961 / マイ・ファーザー・イン・ホンコン 1961

05. Community / コミュニティ

06. S950 / S950

07. We Work Nights / ウィ・ワーク・ナイツ

08. Flinton / フリントン

09. Enoshima / 江の島

10. The Most Liveable City / ザ・モースト・リヴァブル・シティ

11. Reprise / リプリーズ

※他、日本盤ボーナス・トラックを追加収録(予定)

All tracks Written & Produced by Gold Panda

 

artyard studio