Interview : ヨースケ@HOME

@HOME(アットホーム)と名前にあるように、彼の音楽には温かさがある。楽しいだけじゃなく、温度があるような。本来、歌とはそういうものだと思う。ブルースに魅了されて海外を旅した話や、友人の話をしている彼の表情でその理由が分かるような気がする。偶然にも筆者は彼と同い年であった。固い握手を交わし、取材がスタートした。Interview : Tomomi Suzuki

●学生時代は、どんな風に過ごしていましたか?

中学の頃くらいからブルースとかが大好きで。アコギをひたすらかき鳴らしてた感じかなあ。昔のボブ・ディランとかビートルズとか、路上とかで売ってる格好 良さそうなの買って頑張って弾いてたなあ。高校の時にバンドを組んで、グリーンデイのカバーとかやって、頭もモヒカンにしてた(笑)ランシドとかもやって て。それはまた違うベクトルで楽しくて。高校卒業する頃には就職も大学もピンとこなくて、英語が話せたら潰しが利くんじゃないかと思ってハワイのコミュニ ティカレッジを受けて。ハワイに行ったら、レゲエにはまりましたね。



●けっこう長く居たんですか?

いや、学校はすぐ辞めちゃったんです(笑)頭の中で描いてたハワイは、日本人があんまり居ない感じだったんだけど。だから、なるべく現地の人と仲良くしよ うと思って、波乗りに行って、授業出てっていう感じで。でも外で人と話すことの方が多くて、それだったら学校はもういいかなって思って。ギターも弾いてた から、ハワイのライブハウスでも飛び入りで弾かせてもらったり。それがもの凄く楽しくって。ハワイのクラシックな音楽を聴く機会もあって。今のハワイの音 楽は、ハワイアンとレゲエが混ざってたりするから、そういう意味でも昔のを聴けて面白いなあって思ったんですね。それで元々、自分は何が好きで音楽を始め たかなあって考えて。ああブルースだなって。それでそのままギター持って本場のシカゴに行ったんです。サンフランシスコとサンディエゴと。

●一人で?思い立って?

そう、もう宿もないし…いろんな人と友達になって泊めてくれって(笑)。18、19歳くらいの時かな?3か月ハワイに居て、3か月旅してました。シカゴに 行った時には運良く本場のブルースも見れて。シカゴで活躍してる菊田俊介さんていう日本人のギタリストにも会えて。その人がまた、シカゴのいろんな所に連 れて行ってくれて。それで彼のライブの最後に必ず「今日は日本人の友達が来てます!」って言ってくれてギター弾かせてもらったりもして。最初は何こいつっ て感じでお客さんにも見られるんだけど、弾き終わった後に、また来週も来いよ!って言ってくれたり、凄い面白かった。日本に戻ってきても渋谷でストリート ライブをしてたけど、向こうは立ち止まってくれたほとんどの人が、Thank You!って25セント置いてくって感じで。日本でも少しはそういうのあるけど、アメリカはそういう文化が根付いてるんだなっていうのも感じたかな。

●ブルースで好きなミュージシャンはいますか?

誰でしょうね…いっぱいいるからなあ。ミシシッピ・ジョンハートっていう人とか、ジョン・リー・フッカーっていう人とかはもうオリジナルの塊みたいな音出 すし格好良いなって思いましたね。思春期の頃って、何か一つはまる音楽があると思うんだけど、ブルースの渋さに本当にぐっときたっていうか。

●波乗りもされるそうですけど、ジャック・ジョンソンみたいな、サーフミュージックみたいなものは意識したことは?

ジャックジョンソンにもかなり刺激は受けましたね。だってあの人聴いた時、絶対ジミヘン好きなんだろうなって思ったし。

●ルーツが見える感じですかね。

そうそう、ルーツが見える人が好き。ジミヘンみたいなギターをアコギで弾いてて、でもライブ見るとDJがスクラッチしてたり、ちょうど世代的にも、 HIPHOPやってるやつ、ロックやってるやつと分かれてたけど、自分がいいと思うものを取り入れて、それをスタイリッシュにやってるのがジャックジョン ソンだったなと思って。影響されたなあ。

●ところで、ヨースケさんの、転機だなって感じたところはありますか?

旅して帰ってきてからも、一年に一度は貯めたお金でギター持って海外に行ってたんだけど、2年くらい、パソコンで打ち込みとかずーっとしてた時期があっ て。もういい加減どこか行きたい!ってなって。昔から自転車が好きで、高校の時に東京から京都に行ったりもしてて。自転車で沖縄とか行ったら楽しいと思う んだよね~っていろんな所で言ってたら、偶然ラジオの人の耳に入って。応援するよっていうことになって、ラジオの企画として沖縄まで自転車で行ったんです ね。ストリートで歌いながら。それがけっこう反響があって、インディーズでCDも1枚出させてもらって。そこからかなあ、大きな今へのきっかけというか。 毎日公園とかにテント張って、暑くて朝起きて、おじいちゃん達に紛れてラジオ体操する、みたいな(笑)沖縄なんかは、面白かった、暑かったけど。人が、最 高でしたね。鹿児島から沖縄までの間に1曲作って、FMで歌って終わるっていう流れだったんだけど、歌い終わったら、ワゴン車乗ったおじさんが外で待って てくれて。ラジオずっと聴いてたとか言ってて(笑)沖縄そば屋やってる人で、ずっと聴いてたって言ってくれて、車乗って行きなよ!って。最後に「そば食べ においでね!」って言われて。本当に最高だった。

●そういうきっかけがあっての今現在、ご自分の音楽に対してどういう気持ちで向き合っていますか?

基本は変わってないですけど、自分が良いモノっていうのをずっと作り続けてたいなとは思ってて。今までよりも、多くの人が聴いてくれるっていうのがあるか ら。旅してた時は自分で宅録して作ったCDを自分で売りながらっていう感じで。それは、人と顔を合わせて、聴いてくれて気に入ってくれたら買ってくれるっ ていう感じだったけど、今は、僕の顔も知らない、会ったこともない人が、どこかで流れてて良いなって思ったら買ってくれるっていうチャンスがあるから。曲 の中でどれだけその人に近づけるかっていうか。そういう気持ちが大きく変わったところかなあ。昨年は夏フェスに沢山出させてもらって、そこでいろんな人の ライブ見てて。桜井さん(Mr.Children)とかも本当に凄くて。歌だけであんなに近くなれるんだって思ったし。そういうのを目の当たりにして、 あっこういう事かって。小田和正さんもそう。凄い人を沢山見れて、刺激はありましたね。

●なるほど。今、あなたh20代半ばですが、どういう風に年を重ねて行きたいですか?

そうだなあ……

●あんまり意識してない?

してないですね(笑)このままだと思います。ただ、やっぱりいろんな所に行きたいというのはありますね。いろんなもの見たいなあ。あのね、アラスカのオー ロラが、もうすぐ見れなくなるんですよ。だから見ておきたい。行きたい島もあるし。生きてる間に綺麗なものを沢山見たいっていうのはありますね。

●いろんな所でまた歌っちゃうのも良いかもしれないですね。

面白そうですよね。(沖縄まで行く)ストリートライブの時も思ったけど、どんどん場所によって方言が変わっていくのね、よくコンビニとかで道聞いたりして たから。でも結局、音を出して、集まって聴いてくれるっていうのは、どこでも変わらなかったです。気に入ってくれたら立ち止まって聴いてくれるし、嫌だっ たら行っちゃうし。それは日本だけじゃなくて海外でもそうだし。だからそういう好奇心はありますね。

●最近で刺激を受けた人はいますか?

いっぱいいるなあ。近所の友達から、音楽やってる友達から…スポーツ選手とかも。同じ年だったら、北島康介さんとか凄いなって思うし。この間、ニューヨー クから友達が帰って来てて。パーカッションやってるやつで。ヨーヨーマのワールドツアーに一緒に行ったりしてて凄くなってて。二人で渋谷で一緒にストリー トライブやってて、今回5年ぶりに名古屋で一緒にライブが出来て。もう、言葉じゃなくて、音出した瞬間に、凄くなってるなあって感じて。変わってない所も もちろんあるし、呼吸も合うんだけど、すっげーでかくなってるなって。それは最近で一番やられたなあ。俺も頑張らなきゃって思ったし。彼の先生が、ジェイ ミーっていうパーカッション専門の人で、サイモン&ガーファンクルのサイモンのパーカッションやってたり、もう歴史上の人みたいな感じで(笑)その人の音 も聴かせてもらったり。

●身近にそういう友達がいるって素敵ですね。

またね、同い年っていうのがね、やるなあーって。

●同い年っていうだけでそういうの、ありますね。

同い年ですもんね(笑)

●なのでお話ししてみたいなって思いました(笑)

最近、なんか82年組が気になっていますね。

●水泳の先生もされてたんですよね?

日本に帰って来てですね。泳ぐの好きだったし、コーチ出来るかなって思って。これが楽しくって。一番一生懸命教えてた子達が、当時2年生くらいだったんだ けど。僕のクラスで週3くらいで教えてたのかな。で、今でも実家に帰ると偶然、その子たちに会ったりして。6年生とかになってるから、大きくなったなーみ たいな(笑)ライブにも来てくれたり、自分の歌を携帯の着メロにしてくれてたり、本当に嬉しくて。手紙もくれたり、そういうのは嬉しかったです。人が、好 きなんですよね。音楽も、ジャンルでこれは好き、嫌いっていうのはなくて。モノを作るっていうのは、その人の気持ちっていうのが絶対にあるから、そこに触 れることが出来れば、嫌いとは言えないなって。思いがあって、作られてるものだから。だから、自分が作るものも、アウトプットされる形は何でもいいなって 思ってて。

●では、新曲Stay Goldについて聞かせて下さい。

これはね、友達に手紙を書こうと思って。っていうか友達の方から手紙をもらって。そいつはファイヤーダンスやってて、アジア廻ってるんですよ。タイとか ニュージーランドとか。家も近所なんですけど。さっき話したパーカッションのケイタもそうだけど、そういう友達って居れば仲良く濃く話すし、離れたら離れ たで特にメールっていうのもないんだけど、いつも心のどこかに居て、あいつには負けないぞとか思ったり、一緒に過ごした日々があったりして。で、まだ返事 を出してない(笑)それでいろんな所廻ってて住所も分からないから、歌にしようって思ったの。本当に、いろいろ話す友達で。歌詞にも書いたけど、公園で コーヒー飲みながら話してたらそのまま朝日が上ってきたり。そういう腹割って話せる友達って誰でもいると思うのね。そういう友達と過ごした時間があるか ら、今の自分がいるみたいな。そんな友達へ手紙を返信しているような、そんな歌ですね。

●その彼にはもう、聴いてもらったんですか?

いや、もう帰ってきたらでいいやって。
絶対家に来るから(笑)

●今年はどんな活動を予定していますか?

アルバムを、夏頃に出せたら良いですね。いろんなカラフルな曲を入れたいなあって思っていますね。

●最後に、ヨースケさんにとって世界で一番美しいもの、そして醜いものは何だと思いますか?

この間、札幌の雪祭りで歌わせてもらったんだけど、あの雪は、なんだろね?凄い綺麗だったなあ。あと、この間波乗りに行った時、この季節なのに海にビニー ル袋が浮いてたり、海外から来たような空き缶が浮いてたり。ちょっとロマンチックだなって思いつつも、やっぱり嫌だなって思ったかな。

●これからクリエイターを目指している読者のために、メッセージをお願いします。

自分が見た景色とかで綺麗だなって思ったこととか、ニュースとかで思ったこととかが、音に成り得たりするじゃないですか。それを、ジャンルで好き嫌いとか じゃなくて、そこにあるルーツというか、何でこういうのが出来たんだろうとか、気持ちみたいなものまで探る作業ができたら、作る上では楽しいし深いものが 出来るんじゃないかなって思います。だから見た目も多少大事だけど、それよりも本質的なものを探る作業をしたほうがいいと思います!!(挙手)

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