MC Xander × Art Yard Interview


●まず何より、呼びかけに答えてくれてありがとう、Xander。そしてArt Yardのインタビューにようこそ。初めに、少し詳しくあなたのバイオについて伺いたいと思います。あなたが生まれたのはケニアだそうですが?

そう、僕はケニアで生まれて、それから2歳の時にスコットランドに移住したんだ。それで、10歳の頃にはイングランドの南のドーセットにいたよ。ロンドンに勉強をするのに移住して音楽を作ったりする前、つまり僕が18歳の頃なんだけど、そのあたりの数年間はいろいろな国を放浪したんだよ。それ以来、ずっとロンドンにべったりなんだ!多分、ロンドンは音楽のためにいるにはクールな場所だと思うんだよね。ロンドンのアンダーグラウンドのエレクトロニック・シーンはいまだに僕の最も大きなインスピレーションになっているし、みんなフレッシュなサウンドでいつも僕は驚かされているんだ。

●とても良い環境のようですね。自己表現として現在のスタイルで音楽を作り始めたのはいつでしょうか?ループマシンを使用した、肉体的なスタイルでトラックを組上げることをどのように学んだのですか?

多分、僕はいつも音楽に興味を持ってきたのだと思うんだけど、でも一番最初はね・・僕は旅に出たんだ。ギターを持たずにね。そして音楽を作るのに自分自身が何を求めているかを見つけたんだよね。その事を通じて、自分の口を使ってサウンドを作る(ビートボックス)ことを始めたのさ。ある一時期、僕は一番近い街から40分ほど移動しなければならないような山深い場所に住んでいたんだけど、それは、より良いビートボクシングにたどり着くための、ある種の旅だったってわけさ。ループステーションは僕の口ひとつだけでは不可能な、多くのサウンドを曲に加える、っていうシンプルな考えから使っているんだ。もちろん代わりにバンドでやる、という手もあるけど、でもクリエイティブな方向性で議論しなくて済む、疲れ知らずの相棒、っていうのにもかなり心惹かれるものがあったんだよね。

Xander Blue

●ところで、あなたの音楽と言葉の源泉はどこから来ていますか?あなたはとても素敵なビートボクサーの一人だと思いますが、それ以前に、歌うためにビートボックスをしているあなたの言葉と音楽から、本当に素晴らしい詩人であることを強く感じたのですが?

ありがとう、まあ正直自分ではどうかは分からないけど(笑)、曲と歌詞、それとサウンドは表面上は何もないところから生まれてるんだけど、たぶんだけど、それら楽曲の源は、僕自身がこの世界の中から発見した個々の場所なのだと思うし、今までの僕のユニークな経験からだと思う。僕の前のアルバム『eyeopeness』は世界に対してオープンであることの本当の意味や、居心地の悪い現実をシャットダウンせず、しっかりと目を見開くこと、そういったことに考えを巡らせようとしたものなんだ。思うに、仏教徒のコンセプト『正念(しょうねん)』にも通じるものだろうけど、皆が信じたり実践するかは別としても、誰もが物事を明確に見たいと思うんだよね。それはもちろん科学にも根ざしたものだよ。いくつかのトラックはポリティカルな題材を取り扱っているけど、一方ではもっと個人的な側面もあるね。

●なるほど。では、少しポリティカルな話題も。私たちの国では純然たる事実として、多くの人々がエネルギー生産やそれに関わる汚染事故、そしてその報道のされ方について深刻な問題を抱えていると感じていると思うのですが、原子力発電所の再稼働や、それらへの取り組み方について、諸外国からの視点で、あなたはどのような意見を持っていますか?

そうだな、エネルギー生産競争のリスキーな姿勢は、地域が抱える政治的状況としては最も憂鬱な事柄のひとつだよね。政府が環境への強い影響を完全に無視している部分、それと同時に核エネルギーの利便性も見えてくる。不幸なことに、真のエネルギー生産については、自然環境を保全するような長期に渡るゴール設定、そういうものには小さな興味しか示さないエネルギー会社のビジネス的な興味の内側にあるよね。政府はといえば、ビッグ・エナジーの誘惑に立ち向かうパワーに掛けているし、それについては多くの人々が気付き、圧力を掛けていくほうが良いよ。長期的な判断で言えば、ほとんどの人々は風力や水力、太陽エネルギー利用などの、本当に支持することのできる問題解決策にお金を投入していくことに同意すると思うけど、多くの電力会社はコストよりも手早い見返りを求めるからね。ともあれ、僕が思うのは、この状況の危険性にもっともっと多くの人々が気付いて、そのことによって、ビッグ・エナジーの横暴から隠れるのではなく、政府に圧力を掛けることのできる強いポジションに我々がいるようにするってことかな。やはりそれが適切な闘い方じゃないかな、って。

●そうですね。ところで、歌詞についてなのですが、思うに、あなたは「精神的な勇気」や、「人生への精神的な取り組み方」について歌っていると感じましたが、音楽活動を通じて、人々にそういったメッセージが伝わっていると感じる瞬間や、それについて思うところはありますか?

おぉ、分かっているね!そう、多分それは精神的なものって言えるんだけど、でも多分言葉としてそれが与える印象って「特別」だとか、多くの人たちは単純にスピリチュアルというと水晶がどうだとかヒッピーがみんなとハグするとか、もちろんそのどれも本質的に悪い意味などないけど、そういう風な類いの言葉として捉えられがちなんだよね。でも、そうなんだ、僕のことで言えば、人生の確実なアプローチ法としていつも僕自身の体験した事を書き綴ってきたし、僕にとっては、瞑想したりといったようなことは難しくても、音楽を作ることや、実践すること、たとえばクリエイティブなものの追求だとか、そういうことであればもっと容易だからね。そういったことは、僕たち自身の深層的な部分を目覚めさせてくれると思う。僕は自分の人生を通じて少なからず『目覚め』のようなものを感じたことはあるし、いつもそれを探すようにしていて、それを音楽にしているよ。

●では質問を変えて、これはテクニカルな話題ですが、あなたの使用している機材と、それらがどのように曲に使われているかを詳しく教えていただけますか?

僕はableton live をループ用のソフトウェアとして使っていて、それをmidiコントローラー群で操作しているんだ。録音した別々のループのバランスを取る為に、分かれたアウトプットでサウンドエンジニアに渡しているんだよ。あと、生録音したもののフィードバックを減らす為にイコライザーを使っていて、少しだけ音をラウドにしたり良い感じにするためにコンプレッサーを掛けてるけど、それはダイナミックレンジを壊してしまわない程度にかな。メインで使っているエフェクトは、ピンポン・ディレイ、不思議な感じのリヴァーブ、ヴォコーダー・ハーモニー、オクターブ・ペダルとか、面白いグリッチ効果を得るためのビート・リピーター、ビート・カッターなんかで、そういうのってビートボクサーは絶対嫌いだと思うんだけど(笑)、ともあれ僕にとっては役立っているんだ。僕が夢中になれるクールなサウンドで音楽を作るためにね。

●そのようですね。でも、私があなたに興味を持ったのはまさにその部分なのです、Xander。では最後になりますが、日本へツアーに来るプランはありますか?来日したことは?

僕はAtomic Hooligan(アトミック・フーリガン)の二人とMC、それとDJとして来日したことはあるんだけど、僕のマルチ・ヴォーカルのショウとしてはまだ日本に行ったことはないんだ。そろそろ行ってみたいね!

●あなたのショウが見られるのが楽しみですね。どうもありがとう、Xander!

artyard studio